6.リーヌから見たシルヴィア(リーヌ目線)

私はホイッスラー家で侍女として働いています。ホイッスラー家は公爵家の名に恥じない素晴らしい家です。私達侍女への待遇もよく、毎日気持ちよく働くことが出来ています。



そのホイッスラー家で1年前にお産まれになったシルヴィアお嬢様は、本当にすごいお方です。産まれたときから優美で凛としておられました。まるで後光が指しているかのようで、一瞬、天使がお産まれになったのかと目を疑った程です。それほどにシルヴィアお嬢様は美しく、麗しゅうございました。



あの時から私はシルヴィアお嬢様に心を掴まれたのです。一生を懸けてお守りしようと、決めた瞬間でした。



1歳になったシルヴィアお嬢様は元気に毎日駆けていらっしゃいます。それはもう元気に…爆速でです。



たまに、成長が早すぎるのではないかと心配にはなりますが、それほどまでにシルヴィアお嬢様は素晴らしいお方なのです。



この前、髪の毛を整えにシルヴィアお嬢様の部屋に行った時に、シルヴィアお嬢様が変な掛け声と一緒に突きや蹴りをなさっていました。今までに見たことのないようなものでしたが、動きが洗練されていてまるで組手でも見ているかのようでした。


でも、私が見ていると気づいた時のシルヴィアお嬢様の照れた顔はとても麗しく、いつまでも見ていたくなりました。


一生懸命、突きや蹴りをするシルヴィアお嬢様の真面目な顔と、照れた時のギャップが素晴らしかったです。しかし、あの突きや蹴りはなんなのでしょう?一体どこで知ったのでしょうか?もう少し、館の警備を強める必要があるかもしれません…




そういえば、最近シルヴィアお嬢さまが私の顔をじーと見てきます。

天使に見つめられるのはとてもうれしいのですが、何か見透かされているような気がします。シルヴィアお嬢さまは1歳にして何か特別なものを持っているように感じます。

私の正体が気づかれないように注意しなければなりませんね。。

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