第33話「決戦前の会議」
Side 日本本土 日本国 首脳陣
一方で日本の本土にて。
日本の首脳陣はドラグニア帝国との決戦と言う事態に内心「なんでこうなった」と思っていた。
異世界に突然飛ばされてまた戦争続きである。
外交のがの字も見えない相手国の態度にこの世界の住民蛮族すぎるとか好戦的すぎるとか色々と考えていた。
それはそうと――
「ドラグニア帝国と決戦になるか――」
直枝・H・和矢、総理大臣は苦々しい気持ちを吐露しながら言った。
この日本と言う国はまるで呪われているかのように戦争続きだ。
ドラグニア帝国との戦いを乗り越えてもスカイピアとの戦いが待ち受けている。
他の列強国とやら次第でどうなるか分からないが――今はともかくドラグニア帝国との決戦だ。
スカイピアからの亡命者からの多大な情報提供により、ドラグニア帝国の古代兵器――つまり切り札が割れた。
全部で4つ存在し、
陸上要塞
陸上戦艦
巨大人型兵器
ドラゴン型巨大兵器
だそうだ。
で、決戦に投入されるのは巨大人型兵器とドラゴン型巨大兵器。
陸上要塞、陸上戦艦は本土や国境の守りについているらしいが油断はできず、打ち上げまくった人工衛星などで常に監視している。
次に対策だが――
「バルニアの古代兵器との戦いを考えれば、下手な手心は味方の将兵を危険に晒しかねないでしょう」
防衛省の鬼塚がそう提案した。
「あまり軍事力の増強はしたくはなかったのですが止む無しですね」
軍事力の増強に回す金があれば日本の復興に金を回したいというのが総理や各省庁の考えだが、既に宣戦布告されて相手は聞く耳持たないと来ている。
それに相手の強さを考えるとレールガンやビーム、プラズマ兵器などの高価なSF兵器を実践投入しなければならなくなった。
他にも反物質砲や陽電子砲など、「お前らは何と戦おうとしてるんだ?」的な兵器まで持ち込まれているようだ。
だがバルニアの古代兵器の戦闘力を考えたらNOとは言えないのが辛いところだった。
☆
Side ドラグニア帝国将軍 ムート
「日本軍には散々苦渋を舐めさせられたが、遂にこの時が来たか……」
ムートは与えられた古代兵器二つを見る。
巨人の古代兵器、ギガース。
巨大なドラゴンの古代兵器、ティアマト。
この二つを前面に押し出して日本軍を蹂躙する。
その日が来るのは待ち遠しくてたまらなかった。
古代兵器が来たことで兵士の士気も回復している。
後は決戦のその日が来るまでに体制を整えればいい。
他の列強国が介入してこようがこの二つの古代兵器で粉砕してくれる。
そう考えて、ムートは彼方此方に指示を飛ばした。
決戦の日は近い。
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