真相 4

 週刊誌をボンに届けてもらった。やはり約束通りあの記者のペンネームで特報!として新証拠が載せられた。いよいよ私もいつまでも隠れているわけにはいかない。記憶喪失として解らないと答える部分と、それでも答えられる部分をどうするかだ。

「女の人からよ。浮気したら許さないからね」

と姉さんが受話器を渡す。

「私よ。ありがとう効き目があった。告発を取り下げる代わりに頭取も背任罪は降ろすと言うことになった。ビデオは出さなくてすんだわ。さすが赤恥だものね。社長のものを銜えているものね」

「ほっとしたよ」

「でも検察は下がらないようよ。今日はITMファイナンスの本社の家宅捜査に入っている。今週中に『白薔薇』にも入ると弁護士が連絡してきたので、カメラやらはすべて外した。修司のものもすべて別のところに移した」

「でもいつまでも隠れている訳にはいかないと思っている」

「頭取はもう少し時間を引っ張ってほしいと言っている。私としては警察の手が回るまでで、あの記者を導火線として検察と交渉できたらと思う。私とは敵で伊藤が拉致監禁されて殺害されそうになって失踪」

「それでいいのか?」

「私は恥を掻こうがどうでもいい。頭取と修司が身を守るそこにポイントを置いたらいいと思う。でも流れをもう少しじっくり見て。頭取は総理の話が出てくることを一番恐れているのよ。私も総理と寝ただけで修司が二人の情報を掴んでいる。それが残っていると言うことをぼんやり描かせる。強くても弱くてもだめ」


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