真相 4
週刊誌をボンに届けてもらった。やはり約束通りあの記者のペンネームで特報!として新証拠が載せられた。いよいよ私もいつまでも隠れているわけにはいかない。記憶喪失として解らないと答える部分と、それでも答えられる部分をどうするかだ。
「女の人からよ。浮気したら許さないからね」
と姉さんが受話器を渡す。
「私よ。ありがとう効き目があった。告発を取り下げる代わりに頭取も背任罪は降ろすと言うことになった。ビデオは出さなくてすんだわ。さすが赤恥だものね。社長のものを銜えているものね」
「ほっとしたよ」
「でも検察は下がらないようよ。今日はITMファイナンスの本社の家宅捜査に入っている。今週中に『白薔薇』にも入ると弁護士が連絡してきたので、カメラやらはすべて外した。修司のものもすべて別のところに移した」
「でもいつまでも隠れている訳にはいかないと思っている」
「頭取はもう少し時間を引っ張ってほしいと言っている。私としては警察の手が回るまでで、あの記者を導火線として検察と交渉できたらと思う。私とは敵で伊藤が拉致監禁されて殺害されそうになって失踪」
「それでいいのか?」
「私は恥を掻こうがどうでもいい。頭取と修司が身を守るそこにポイントを置いたらいいと思う。でも流れをもう少しじっくり見て。頭取は総理の話が出てくることを一番恐れているのよ。私も総理と寝ただけで修司が二人の情報を掴んでいる。それが残っていると言うことをぼんやり描かせる。強くても弱くてもだめ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます