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紅茶と料理を食べ終わると、二人は桃子さんと一緒に食堂から移動して、大きな階段を上って、竹内家の二階に移動した。
「お茶会って、参加者は私一人なの?」
その途中で、鶴は聞いた。
鶴はお茶会というのは、竹内家では、月に一度、身内(竹内家の家族や親戚、グループ企業などの大物さんとか)を集めて開催されている私的なお茶会があるのだけど、そのお茶会のことだと思っていた。
もちろん、竹内家の敷地内に入ってからの様子で、どうやらそうではないようだということには気がついていたのだけど、一応、菫に聞いてみた。
「そうよ」
と菫は後ろを振り返らずにそう言った。
「今日は菫様と鶴様だけの、二人だけの秘密のお茶会なんです」
桃子さんが説明を付け加えるようにして、そう言った。
「今日は竹内家のお屋敷にも、私たち三人以外には、使用人や運転手のかたが二、三人いるだけで、ほとんど貸切のような状態なんですよ」
「抜け殻ってことよ」
桃子さんの言葉に、今度は菫がそう言った。
「ふーん」
二人の言葉を聞いて鶴は言った。
「さあ、着いたわ。ここよ」
今度は後ろを振り返って菫が言った。
「ここに見せたいものがあるの?」
鶴は言う。
菫は見せたいものがあると言って、鶴を食堂から連れ出していた。
「そうよ」
にっこりと笑って菫は言った。
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