第465話決戦!VS国際テロ集団(1)

クリスマスの一週間前の土曜日、国際テロ集団を乗せた貨物船が、日本領海に入った。

その情報を察知した海上保安庁の船に、公安庁と自衛隊の手練れ30名、華音を含む柳生事務所の男性スタッフと松田明美が乗り込み、那覇港から出港。

尚、シルビア、春香、エレーナ、今西圭子は、那覇のホテルで待機している。


シルビアは複雑な表情。

「乗りたかったけれど、さすがに危険」

春香は不安でならない。

「周さんと陳さんの痺れ薬で、相当弱っていると思うけど、無茶苦茶強いんやろ?その連中」

エレーナ

「華音ちゃんも強いと言っても、まだ15歳や、酷だよ」

今西圭子

「それだけ実力を認められているとは思うけど」

シルビア

「瞳ちゃんには、何も言っていないよね、華音のことだから」

春香

「うちも言えんかった、心配させとうないし」

エレーナ

「万が一あると、責められるよね」

今西圭子

「今となっては・・・どうにもならん、止めて止められる連中じゃない」


お姉さまたちが、そんな不安になる中、華音は洋上で不審貨物船乗り込み作戦の最終会議に参加している。


尚、司会進行は、柳生事務所長の柳生清。

「海上保安庁が国籍を示すよう警告をする」

「おそらく、でたらめの国籍を言ってくる」

「即座に相手が攻撃してくることはないと思う」

「海上保安庁は、でたらめの国籍を理由に、不審貨物船と判断」

「立ち入り調査を名目に、乗り込む」


柳生隆が補足する。

「その際に乗り込むのは、海上保安庁の職員に扮した公安庁と防衛省の手練れ30名、俺と霧冬先生、井岡、橋本スタッフ」

「尚、親父の清と潮崎師匠、松田明美と華音は、医療班に扮して最後に乗り込む」


国際テロ集団に詳しい潮崎師匠が発言。

「俺の顔を見た時点で、あいつらも気づく」

「かつては、傭兵軍団で指導したこともあるから」

「だから、白衣を着て、医療班として乗り込む」

「医療班の乗り込みは問題はなかろう、そもそも台湾でも、ロクな薬を買えなかっただろうし」

「彼らとて、治療と薬は、何よりも欲しい」


柳生霧冬が厳しい顔。

「ただ、武器弾薬を探して船内を確認し始めた段階で、一定の戦闘が起きるリスクが高い」

「その時に、どれだけ薬害から回復しているのかが、鍵となる」

「と言っても、向かって来れば倒すだけになる」

「その意味で決死戦、戦うしかない」


司会の柳生清のタブレットに、松田スタッフからメールが届いた。

そのメールを、柳生清が読み上げる。


「ただいま、官邸に、ドラゴンヘッドと名乗る不明の団体から警告メールが届きました」

「一週間後に、我々ドラゴンヘッドは細菌兵器、化学兵器、そして小型核爆弾を用いて、日本を攻撃する」

「尚、日本を攻撃する際には、我々の考えに賛同する、日本国内の協力分子も共に参加する」

「日本には、相当な人的被害をはじめ、物的被害が発生する」

「それを懸念するなら、我々に全面降伏せよ」

「お前たち日本政府に猶予はない」


メールを読み終えた柳生清は、笑いだした。

「まあ、ロードス島を出航する際の、予約メールだろう」

「実際には、国内の協力分子は、ほぼ壊滅」

「一兆円の資金も無効化、おまけに船内は、弱った兵隊ばかり」

「地獄を見るのは、お前たちのほうだ」


華音は、腕を組んで、考え込んでいる。

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