第181話絶品上海焼麺!お姉様たちは、様々
神田神保町の超老舗中華料理店から出張してきたシェフが、華音と松田明美を見て、にっこり。
そして、店の紹介を始めた。
「私のお店は、明治39年が創業です」
「西暦で言えば、1906年、ですから今年で113歳となります」
「基本的には上海料理なので、新鮮な魚貝類と野菜を使った、あっさりとした中華です」
華音たちが、モリモリと食べていると、小籠包子に続いて上海焼麺、が登場。
食べたことのない今西圭子、シルビア、春香は興味津々。
今西圭子
「なんか、ゴテゴテしていない、シンプルな焼麺」
シルビア
「焼麺の上に、豚肉、玉ねぎ、もやし、キクラゲだけ?」
春香
「でも、香ばしいなあ」
華音が久しぶりにお姉さんたちをリード。
「食べてみようよ」
松田明美は、すでにモグモグ状態。
「うん、これ、大好き、飽きが来ない」
松田明美も、日頃の明美との敵対関係は忘れたのか、つられてモグモグ。
「う・・・マジで美味しい、ほんの少し醤油味かあ・・・ゴテゴテの油ではない」
シルビアは、モグモグを超えてムシャムシャ状態。
「やばいくらいに美味しい、箸が止まらない」
春香は、口いっぱいに頬張る勢いで食べる。
「やみつきになる、この味」
そんなお姉さんたちに、超老舗中華シェフが説明する。
「一度味付けをして焼いた麺を寝かせて、注文が入った時に、もう一度焼くことによって、さらに味が良くなります」
「かの池波正太郎先生が大好きで、私どもの店に来られた時は、この上海焼麺」
「そしてシューマイをみやげとされていたそうです」
華音が、そのシェフに会釈して、話し始めた。
「東京の祖父さんに聞いたんだけど、冷やし中華の発祥店なんだって」
「それも昭和の初期らしい」
お姉さんたちが「へえ・・・」とした顔をしていると、またシェフが説明をする。
「その通りです、日本の夏が暑いということで、二代目の店主が神田の老舗そば屋に通って、冷たいもりそばをよく食べていたとのこと」
「そして、中華料理は、どうしても熱い料理」
「それを、もりそばのように、暑くても食べられる中華料理を作りたいと考えて、試作に試作を重ねたのが、現在にまで残る冷やし中華の原型なのです」
またしてもお姉さんたちが「へえ・・・」となっていると、シェフ。
「池波先生は、この冷やし中華も好きで、日本酒を飲みながら、食されたそうです」
すると松田明美と今西圭子が、顔を見合わせる。
松田明美
「ふむ、冷やし中華と日本酒ねえ・・・」
今西圭子
「試す価値あり」
松田明美
「大人の特権やな」
今西圭子はニヤリ。
「こればっかりは、ガキどもには・・・可哀想だけど・・・」
華音は、「何?この人たち・・・年増って言われた腹いせ?」と呆れるけれど、シルビアと春香はまた反発。
シルビア
「ああいう意地悪な女どもは、私たちより早く干からびる」
春香もきつい。
「どうせ年増で消化力が弱っているから、酒の勢いで食べ過ぎて、曲がり角の肌がもっと荒れるだけ」
華音は呆れて、途中からお姉さんたちの話には耳を貸さないことにした。
ただただ、デザートの杏仁豆腐を食べることに専念している。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます