第134話薬風呂で、シルビアと春香、瞳の会話

華音の書籍整理手伝いが終わった女性陣たちは、全員で薬湯の大風呂に入った。


シルビアが、解説をする。

「基本的には、シナモンと生姜、蜂蜜となっています」

「汗もしっかりでますし、湯冷めも、ほぼありません」


春香が補足。

「お好みでジャグジーにもできます」

「筋肉疲労回復には最適です」


その解説で担任の萩原美香や文化庁の今西圭子と同僚女子二人は、上機嫌となるけれど、雨宮瞳は少し引いている。

「シルビアさんと、春香さんのスタイルが・・・すごい・・・」

「まるでモデル?超美形裸身?二人とも天女?」

「きれいなんて、そんな言葉では言い切れない」


そんな瞳のそばに、シルビアと春香が寄ってくる。

雨宮瞳は、今度は焦った。

「この二人の・・・湯舟に・・・浮いている」

「見せつけられてる?」

「華音君の従姉でよかった」

焦りながら、少々自分でも恥ずかしいようなことを考える。


シルビアがニコニコと笑う。

「瞳ちゃん、すごく可愛い」

春香も、笑っている。

「大丈夫だよ、私も急に成長した」

瞳は、そんなことを言われて、ますます恥ずかしい。

「はぁ・・・そうなんですか」

ぐらいしか言えない。


シルビアが、再び瞳に声をかけた。

「ねえ、瞳ちゃん、後で三人一緒に、アロマオイルマッサージね」

瞳は、ドキッとした。

「初めてなので、さっぱりわかりません」

春香が瞳に

「大丈夫、寝ているだけでいいよ、すごく気持ちがいいよ」

瞳は、少し安心。

「そうですか、おまかせするしかありませんね」


シルビアが、少しいたずらっぽい顔。

「それでね、華音の昔話を教えてあげる」

瞳は、またドキンとなる。

「へー・・・面白そうです」

春香も笑っている。

「ねえ、華音って、学園では、取りすましているでしょ?」


瞳は素直に頷いた。

「はい、いつも沈着冷静というか」

「やさしくて、クールな雰囲気で」


シルビアは、また笑った。

「春香、予想通りだよね」

春香も含み笑い。

「華音は、冷静沈着って言うよりは、おっとりなの」

シルビア

「うんうん、強いのは格闘とかだけど」

春香

「癒し系の技術もある」

シルビア

「でもね、女の子には超オクテ」

春香

「まだまだだよね」


瞳は思った。

「従姉だから、そう思うのかなあ」

「学園内では、狙う女子はメチャ多い」

「でも、いいや、華音君の昔話なら聞きたい」


特にシルビアと春香の、超美形裸身に気後れしていた瞳は、ようやく背筋を伸ばしている。

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