第46話 爆弾処理班

「ほっ、ほんとにいいんですか?」

「大丈夫です!……さぁ落ち着いて」

「いっ、いいんですね?切りますよ。エイッ」

「暗くなったら、また入れてみてください」

「……はっ、復活しましたぁ。助かりました」

「エアダスターで埃とばして下さいね」


 バイト先のレジが突然フリーズ。

 posレジだ。バックアップは大丈夫?

 強制終了は怖い。爆弾処理班のごとく

 電話片手に指示に従うデバネズミ。

 震えながら……緊張の中スイッチを切る。

 操作ミスしたのかな?もっと難しい事?

 フリーズの原因はたまった埃ですとォ。

 

「ユーザーはそのままで、パスワードを

 変更してください。何でもいいです」

 レジ締めの後、現金と日報持って事務所へ。

 定期的にパスワードを変更する。

 忘れないように当日の日付を含める。

 パソコンだ。タッチに慣れてるデバネズミ。

「認証されるか、ログインしてみて下さい」


 ロッ、ログイン。知ってる。聞いた事ある。

 認証?認証されない事もあるんですか?

 パソコン苦手のデバネズミはマウスを

 敵のように扱う。そして老眼との闘い。

「カーソルが消えた。クリックしても反応

 しないんです」違うとこクリックしてた。

「落ち着いて、ここです。……ログインして」

「分かりました!エイッ」人差し指出動。

「……えっ⁉ 画面押しても無理です」

 

 一生爆弾処理班になれないデバネズミ。

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