第35話 捻挫

 頃は3月12日の午前11時30分。

 震災のニュースに頭を下げて

 慣れぬ正座などしており。


 夫が帰宅した。この時間の帰宅は

 お昼ご飯のメニュー選択コース。

 朝何かを食べていれば、お好み焼き、

 何も食べていなければ、焼肉。

「お帰り、お好みや……」

 玄関に向かって、駆け寄るデバネズミ。


 右足1歩。ふにゃっ。痺れてる?

 2歩目の左足。こっちも痺れ……

 ふにゃっ、パキ、ピキ。いたっぁい。

 スローモーション。頭を打たないように

 庇って倒れた。痺れと捻挫の痛みで

 リビングでのたうち回る。


「おーい!どうした?また転んだのか?」

 いつもと違う様子に、夫が駆け寄る。

「大丈夫か?ぐふっ。どこが痛い?」

 笑いをこらえながら、足をさする夫。

  

「……正座してたの。立ったら痺れていて

 体重重くて……」


 10代はバレーボールや空手で捻挫。

 アタックの着地失敗や蹴りがヒットの捻挫

 

 50代は普通に立ったら捻挫。

 足腰弱ったうえに体重過多。

 

 久しぶりの痛みで泣きそう。

 夫は湿布を優しく貼ってくれる。

「もう、若くないから気をつけなさい」

「捻挫は3日で治せるから大丈夫」

 経験者は語る。どやるデバネズミ。

 

 あれから3日経ちました。足首は、

 青紫になっている。腫れている。

 なぜか、左の腕も……打ち身だ。


 仕事は繁忙期。負けてたまるか!

 怪我の修復は普通のネズミより強いはず。

 気合いを入れるデバネズミ。


 

 

 


 

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