第5話 チューリップの球根。
結婚は何のためにするのだろう。
夫とは何のためにいるのだろう。
もちろん、子供を産んで育てるためだ。
子孫繁栄。けれど、子供を持たない選択
をする夫婦もいる。
貧しさと、病気の時のためだ。
新婚生活はそりゃ楽しい。
薄給の中、愛がなきゃやってられない。
突然のリストラだってこのご時世
あるのだ。
布団を質屋に入れるかも。
そしたら夫婦で寝たら温かい。
病気をしたら、お互いの看病だ。
老老介護の練習だ。
結婚するとき、夫の下の世話が出来る
か考え、イメージトレーニングもした。
まだ子供のおむつがえをする前だ。
夫と食パンのみみを食べる姿も想像した。
なんか笑えた。
この人となら、なんか乗り越えられると
考え始めた頃、求婚された。
デートはあえて貧乏にした方がいい。
コンビニ弁当持参で、公園に一日中。
居心地がいい。
チューリップの球根を冷蔵庫に入れて
咲かせたい時期に植える。
若いうちに冷蔵庫に入った。
貧乏も病気も経験した。
幸年期。今、花が咲いている。
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