6月6日 水曜日
第9話 日野 秋奈(1)
◆日野 秋奈◆
「うわあああああああ!!」
いきなり部屋に現れた少女に私は大声をあげてしまった。
「大丈夫♪ 取って食べたりしないから」
白、いや、青みがかかっているので水色が近い。
そんな日本人離れした髪の色をしたショートヘアーの少女。
外人さ──背中に羽が生えている。
「は、は、羽……!」
「私は悪魔のシェロよ♪ よろしくね」
あ、悪魔?!
私、日野秋奈は16年の人生で一番慌てていた。
「秋ねぇ。 どーかした?」
一階リビングから妹の声が聞こえる。
「え?! あ、何よ、あなたは何しに来たのよ!」
パニック。
震える声ながら必死に抵抗する。
この小さな侵略者に
「だーから、なんもしないっての……
──あっ、ヤベ。
私は協力者を探してるのよ♪」
なんか一瞬、キャラが変わった?
いやいや、そんなことどうでも良い。
私にできるのはこの家を守ることだ。
?
いや、まずこの娘は敵なの?
悪魔だから悪いって決めつけるのはどうなの?
「まあまあ、話を聞いてよ♪」
「え、あ……」
「あーきーねぇー? どかしたー?」
「……大丈夫ー! Gが出ただけ!!!」
「マジー? 逃がさないでねー」
取り敢えず話を聞くだけ。
そう聞くだけ。
◆シェロ◆
「願いって言われてもなぁ……」
「いやいや! なんでもだよ! なんでも!!」
「えー? そういわれてもなー」
そう抜かしたのは、制服を着て──多分、高校生─少し髪が茶色っぽい少女、日野秋奈だ。
確かに、見たとき『想い』はかなり小さかった。
しかし、契約者の才は高レベル。
儀式が開催されてもう5日。
これ以上は待てない。
契約が終わってる悪魔はもう4体いる。
私ともう1体以外は契約できてるらしい。
はやく契約したい。
「それになんか危なそうだし……」
「いやいや、そんなことないよ♪」
「うーん。 それに学校あるしなぁ」
ダメだ。
こいつ。
ラチが明かない。
この状態で契約して『
身体能力が高いところで武器がなければ宝の持ち腐れ。
「悪いけど、他をあたって欲しいかなぁ……」
「……ちっ。 分かったわ♪ ごめんなさい。 気が変わったら言ってね♪」
動機がないなら
──作れば良い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます