▲7九盲猿《もうえん》
色とりどり過ぎて、もう白色の奔流のような目に来る「光」を四方八方に放ちながら、「ダイ×ショウギ×オー」と、その他諸々との「合体」が始まる。
全身を使って「紫の災厄の玉」を空中で押し留めているロボの背中に、まず「太子」とそのボディに刻まれた人型の小型ロボが後ろからひしと抱きつくようにして密着する。
その後ろに「仲人」、その後ろに「車兵」……と、次々に電車ごっこのように、トコロテンのように……直列に並んでいくロボたち。よし、イマジネイション通り!
引き連れろっ!! 煩悩の数だけっ!!
ロボと直結した僕の体に、形容できないほどの凄まじい力が沸き起こってくるのを感じる。いける……っ!! これならいける……っ!!
「……ッッ最低だっ!! ッ最低の合体だぁぁぁぁぁあッ!!」
斜め後ろでミロカさんが怖気を振るうかのように叫び、僕の後頭部に結構重いかかと落としの雨を降らせてくるが、
……やめるわけにはいかない……っ!!
ごいんごいん上下に揺さぶられる視界の中、僕は目の前に映る「怨嗟の紫玉」に焦点を何とか合わせる。
……食らわせろっ!!
「『
技名もこの上なく決まり、僕の(ロボの)両手が真っ赤に燃える。外圧を、プレッシャーを跳ね返す、心の力、子供の頃に夢見た、ヒーローが導いてくれた、「正義」の力、それこそが、「オマジュネイション」……(多分)
「『投了』は……怨嗟なんかじゃない、断末魔なんかじゃあない……っ!! 己の負けを己で認め、さらなる成長へ歩み出すための……っ!! 魂の決意表明だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
押し出し、押し返す。空へ。
<……>
「紫玉」は僕らの渾身のエネルギーを受けると、ぬるりと一瞬滑るかのような挙動をしたものの、呆気なく上空へとはじき返された。そのまま「半魚人」然とした姿かたちの
<……>
中空に、無言で浮かぶ先女郷の巨体。言葉も、行動も忘れているかのように、ただ浮いている。自失でもしてるのか? いい加減、思い知れよ。お前の思い通りになる世界なんか、ここには無いんだよ!!
「おおおおおっ!!」
完全に、全自分にヒーロー気質がインプットされたかのような僕は、雄叫びを一発かますと、ムカデレースのような合体フォルムのまま、一気に間合いを詰める。
やはりマッスルの申し子たる自分、ここは肉弾戦で決着をつけたい……ッ!!
茫然としていた怪物は、突っ込んできた僕らのロボに一瞬、我に返った素振りを見せるけれど、遅いっ!!
「!!」
反射的に出してきた相手の両腕をがっちり掴み、ロックアップの体勢へと持ち込む。
よーしよしよしよしよーし。覚悟はいいか? こっからが喧嘩だぁぁぁぁっ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます