第320話


8人とプラスアルファハンドくん一族という大メンバーで行動をとるようになり、一番変わったのはスゥとルーナだった。

ロンドベルとジョシュア&ジョアンナ姉妹という『大人組』が増えたことによって、今まで張っていた緊張が緩んだ。

その結果、『子供らしさ』が復活したのだ。

そして、それに振り回されているのが『大人組』だ。

特にジョシュアとジョアンナは毎日ヘトヘト状態だ。

今も全員で夕食を食べてからギルドの上に戻ってきた。

今いる場所は従者部屋。

さくらの部屋は『主人の部屋』のため、広くても使わせてもらえない・・・ハンドくんに。

そしてジョシュアたちは2人部屋。

ロンドベルは1人部屋が空いていなかったため、独りで2人部屋。

それでも全員が入ると狭くなるため、必然的にさくらの隣の従者部屋に集まることになった。

集まって何をするかというと『翌日の予定』を確認し合うのだ。

毎回さくらが言っている「1日中ダラダラひるね〜」は、毎回ハンドくんから〖 はい。聞かなかったことにしますね 〗と却下される。


「じゃあ。朝寝・昼寝・夕寝〜」


昔流れていた『インスタント味噌汁のCM』の節にあわせて歌うように言うさくら。


〖 おや。ごはんを食べずに寝続けますか? 〗


「起きてごはん食べたら寝て・・・」


〖 というズボラ生活は認めません。

明日も今日と同じように『部屋で有意義な時間』を過ごして頂きます 〗


ハンドくんの『最終決定』にさくらは反対しない。

しているのがジグソーパズルだからだ。


「ヒナルクさん。早くダンジョンに行きませんか?」


「これ以上の休憩は必要ないと?」


「・・・休憩出来ているとお思いですか?」


「ぜ〜んぜん!」


さくらの笑いに、さらなる気疲れでへたり込むジョシュアたち。


〖 出発は予定通りです。

ああ。そのまま床で寝る気ですか?

みっともないので部屋に戻ってからにしてください。

そうじゃないと、ここで『踏む気マンマン』のお方が目を輝かせていますよ 〗


ハンドくんの言葉に顔を上げると、目を輝かせている3人に気付いて慌てて飛び起きる。

さくらはもちろん『踏む気マンマン』でいた。

そして、スゥとルーナは『飛び乗る気マンマン』だった。


「あーあ」


「「「 起きちゃったー」」」


さくらの言葉に続いて、3人の声が重なった。

残念そうな3人に苦笑するシーナとロンドベル。

ここ最近はずっと、このような『やりとり』が続いている。


〖 さあ。それでは今日はこれで解散おひらきにしましょう。

何かあれば、自分たちで解決しようとはしないように 〗


ハンドくんの言葉に同意するように全員が頷いた。

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