第301話


冒険者ギルドが管理しているダンジョンの中で『武器が効かない』という特殊ダンジョンを選んで入ることにした。


〖 まずは魔法に慣れなさい 〗


「ルーナは『カッコイイ魔法剣士』になるんじゃなかったっけ?」


「はい。そうです」


「ハンドくん。

魔法剣士って、剣も魔法も使えるんだよね?」


〖 魔法も武術もけている戦士です。

『弱い者の味方』ですね。

どんな相手であっても立ち向かって行ける『正義の味方』です 〗


ハンドくんがさり気なくルーナの耳目じもくを刺激している。


「どうする?ルーナ。

ご主人と師匠は『ルーナが頑張れる強さのダンジョン』を選んでくれるよ」


あ、そこバラす?


『スゥは「大丈夫だ」ということを強調したいようですね』


だからって・・・バラす?


『仕方がありません。

今はルーナに自信を持たせることの方が最優先ですから』


だからって・・・


『それ以上ねるなら『今日のスイーツ』はおあずけにしますよ?』


・・・・・・プリン。


『プリン。アイス。フルーツ。チョコがけ。

そうですねえ。

プリンの上にはクリームの王冠にさくらんぼも付けましょうか。

ダンジョンではあの子たちに魔法の練習をさせたいので、シャボン玉の中で『よいこ』でいてくれたならソフトクリームもつけましょう』


アイスはチョコミン党でソフトはバニラ!


『お利口にしてたら、ですよ』


スイーツに釣られるさくらが可愛くて、ただのプリンから『プリン・ア・ラ・モード』にランクアップさせていくハンドくん。

すでにさくらの興味はスイーツに向かっている。

スゥたちの方もダンジョン内での注意事項を確認しあっていた。


〖 そろそろ行きましょう。

ご主人は『手を出さない』ので、自分たちで魔物の属性を調べて適切に対処しなさい 〗


「はい」


最近はスゥだけでなく3人で作戦を立てるようになった。

その邪魔をしないため、さくらは『シャボン玉』に入って運ばれるだけだった。


「たまには遊びたい」


〖 それは頃合いを見てからですよ 〗


いま向かっているダンジョンに出るのは・・・死体ゾンビ系とスピリット系と幽霊ゴースト系。


「お化け屋敷・・・キライ」


〖 ハイハイ。

ダンジョンに入ったら、外が見えないようにしましょうね 〗


「スゥたちがいるからいいけど。

いなかったら『燃やし尽くしてやる』もん」


ハンドくんのシャボン玉は『結界』のため問題ないが・・・

休憩で結界を張ると結界に張り付いてくる。

結構性格が悪い。

いや。性格が悪いから『死んでも迷惑を掛けている』のだろう。

ただ、冒険者に人気な理由は、倒すと消滅するがドロップアイテムを大量に落とすのだ。

それも激レア系。お金もタンマリと残していく。

物に執着していたからだろう。

・・・その執着心が強い冒険者の『成れの果て』だったりする。

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