第34話




問題は各国のほう。

アストラムのせいだと伝えたら『エルフ族全員』が叩かれる。

かといって誤魔化す事も出来ない。


エルフの国『コーティリーン国』には、数日前からのアストラムの態度を伝えて『アストラムのせい』と伝えたらしい。

どうやら、外交官は交代になるようだ。


・・・せっかく写真撮ったのに。




『安心しろ』


『各国の神殿には、この国の王たちが『我らに愛されし娘』に対して繰り返し無礼を働き、エルフが創造神の怒りを買った、と伝えてるぞ』


ちょっと、それって・・・


「ねぇ。各国にはちゃんと話した?ウソ吐いてない?」


神々が神殿に直接伝えたって。

もし誤魔化したらエルハイゼン国の立場は悪くなる。

慌てて聞いたらドリトスに「大丈夫だ」と言われた。


「ジタンはちゃんと『女神に愛されし娘』に対して繰り返し無礼を働いた者たちがおり、その者たちは、天罰を受けている。それでも反省しなかったため『創造神様』の逆鱗に触れた、と伝えておったぞ」



やっぱりジタンはイイコだ。


『譲位はまだ早いぞ』


でもさー。

国王が急死したら未熟でも王になるよね?


『そして『バカ王』となり天罰を食らってる』


えぇ!!あのバカは未熟で王になったの!


『放っといてもあと2年で交代させる』


『その後は天罰と仲良く隠居だ』


『良かったじゃないか。宰相という天罰仲間がいるんだから』



神殿で隠居?



『いいや。王族や王政に関わった者は、懸案けんあん塔に入れられる』


『王城の四方にあるんだよ』


『以前は王都の四方にあったんだよな』


『王都を『守護させる』という理由で』



じゃあ。なぜ王城内に?



『何度か『事件』があってな』



家族を殺された者が『復讐』のため襲ったり。

家族が『天罰』から救うために殺しに行ったり。



『もちろん、その人たちは『天罰』を受けるわ』


『そいつらは『神殿行き』だがな』



塔では何してるの?

ただ『生かされてる』だけ?

・・・軟禁とか監禁とか?



『朝から晩まで機織りとか』



それって、前に話してくれた『生まれながら天罰を持った者』の一生と同じじゃん。



『そりゃあ』


『『『天罰だから!』』』




あの『うなずKING』アストラムは?



『・・・いい渾名あだなを付けたな』


『エルフは寿命が長いからな~』


『あのエルフは残り300年位だっけ?』


『エルフ族は自分たちを『神のしもべ』と自負してるからな。その分、天罰はどの種族より『不名誉』だ』


その処罰って、アストラム自身も知ってるんだよね?



『子供の頃から何度も聞かされているだろう』


『天罰を受けた者は、地下迷宮の牢獄に閉じ込められる』


『運良く天罰が許されても、恥じて人前に出て来ないな』


『それにあの迷宮は魔法は一切使えない。そして少しずつ魔力を奪い続ける』


『ただひたすら『死を待つのみ』だ』



それでもアストラムは懲りなかったんだ。

・・・バカだな。



『バカだよなー』


『大バカだよなー』




ところで・・・

エルフ族が『神の僕』って・・・それって本当なの?



『違う』


『違うわね』


『気のせいだ』


『ただの『騙り』だ』



それって・・・・・・サギじゃん。



『自分たちが長寿だから『勘違い』してるだけだ』



あーあ。

私が持ってる『妖精』イメージが崩壊されたわ。

・・・そりゃあマンガとかの『創作世界』と現実世界は違うけどさー。



『貴女のイメージする『妖精』なら、あのエルフとは種族とは違いますよ』


『『神の隣人』は、彼らと違う種族よね』



神の隣人?



『・・・ああ。彼らならキミの『イメージ』に合ってるかもしれないな』


『彼らは『寿命を持っていない』からな』




『もし、この世界に貴女の想像してる『妖精像』に合った存在がいなかったら』


『貴女が望むなら『召喚生物』を生み出す事も可能ですよ』



ハンドくんみたいに?



『そうそう』



『小さい妖精』でも『聖霊のたぐい』でも?



『貴女はここで『好きにして良い』のよ』



『貴女が望むなら『ペット』も召喚生物として生み出せるわ』


『なにより、貴女は『ネットショップ』が使えるでしょ?』



じゃあ動物をネットで『『『買っちゃダメ!』』』・・・あれ?



『だから『図鑑を買いなさい』って事よ』


『忘れたの?』


『『聖なる乙女』以外は、この世界で生きられないのよ』



・・・忘れてた。

私も、何日も高熱出して寝込んだんだっけ。




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