黄色いチューリップ

 両親の結婚記念日には必ず黄色いチューリップが飾られる。しかも一本だけ。

 理由が気になるけど、聞くのも無粋かなと思いなんとなく花言葉を調べてみる。


『望みのない恋』


 検索結果に唖然とすると同時に、浮き上がる疑問。何故そんな花を飾るのか。


 モヤモヤは記念日を過ぎた後も続き、一週間ほどたった頃、しびれを切らして父に聞いてみた。


「ああ、あれね。学生の頃、モテなかったし上手い振り方なんてのも知らなかったから送ったんだけど、いい意味で失敗したよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る