パラレルワールド

 パラレルワールドを覗ける機械を手に入れた。


「早速、自分が超絶モテモテなハーレム形成してる世界線を覗こう」


 丸い窓のような機械は、ウォンウォンと音を立てて世界を写し出す。

 そこには、モテまくりな僕がいた。登校中、4人の女の子に挟まれながら迷惑そうに、しかし幸せそうに歩いている。

 だけどそれ以上の数、これと同じ機械でこのモテモテ世界を覗いている僕がいた。30人くらいだろうか。


「………………」


 モテモテなパラレルワールドを覗きに来た、別のパラレルワールドの僕たちと目が合う。


「気まずい……」


 いろんな意味でこの世界の僕はモテモテなようだった。

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