おごり

「頼むよぉ~! 奢ってくれよぉ~!」

「しつこいな、奢らねぇよ」

 昔からの友人に同情で一度奢ってやったら、その後何度もたかられている。

「はぁ……、こんなことになるなら、あの時奢るべきじゃなかったな」

「んなこと言うなよ~。でも、俺は知ってるんだぜ? お前は心根はいいヤツなんだ。人の心の痛みが分かる優しいヤツなんだ。だから、最後には! 結局最後には! 何だかんだ言いながら、俺に奢ってくれるんだよな……!?」

「その考え方が傲りだって言ってるだろ」

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