読書記録所

異世界ファンタジー

Travelers・Link ミカヅキ様

執筆状況：　連載中

総文字数：　２０万字超（2018年12月時点）

一話あたり：　１万字前後

要素：　冒険、異世界転移、女主人公

備考：　ボーイズラブ表現あり

【比較的真面目に書いたレビュー】

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885514825/reviews/1177354054885514843

【あらすじ】

　学校からの帰宅途中、山田純はマンホールから落ちた。

　落ちた先、純の視界に広がったのは薄暗い地下水道ではなく、なぜか書庫。状況を確認するために手に取った本で、純は自分が異世界転移している事実に気づく。

　なぜ純は異世界へ転移してしまったのか。魔物がはびこり、空白の歴史が存在する異世界では一体何が起こっているのか。

　純は元の世界に変えるため。転移した世界の秘密を知るために、異世界で出会った仲間と共に旅立つ。

【独り言】

　異世界転移ってジャンルは昔から存在する、まさに王道ともいえるものだと思いますが、最近では異世界転移、転生＝テンプレ。みたいな定義で言われることが多くて、思うところが多い人は多いんじゃないかと。

　たしかに今は異世界転移多いけど、そもそも昔からあるジャンルだからね？　全部が全部チートハーレムものではないからね？　と言いたい気持ちはあるけれど、じゃあ、そうではないものと区別する方法があるかと言われると難しい所なわけです。

　いっそ、新たにジャンル分け作って定着した方がお互いにとって平和では？　って思いますが、いい案が思いつくかと言われると思いつかない。そのうえ定着するかといわれると、それほどの力はないので悲しい所です。

　何でそんな話をしたかって言うと、今作は異世界転移ではありますが「チートハーレム」ではないからです。

　主人公純は、実家が剣道道場。という点が少々個性的程度の普通の女子中学生。

　魔物がいる世界で武器で旅をしていくのはつらいので、ちょっとしたオプションはつけてもらっていますが「チート」とは到底いえません。

　どちらかといえば、敵側の方がチートといえる能力を有しています。その力量さを仲間との協力、知恵を使って切り抜けていくわけです。

　雰囲気としては少年漫画に近いものがあるかもしれません。主人公は女の子ですが、守ってもらう系ではなく、むしろ守りに行く系のカッコいい主人公です。

　キャー純ちゃんカッコいいー！と読みながら思っております。

　ちなみに恋愛フラグは一切立ちません。

　恋愛ものであったら王道。初対面の印象は悪いし、嫌味が多いけれど、いざというときに助けてくれる神様ハザマさん。この人とも恋愛フラグはたちません。

　王道その２。異世界転移して最初に出会う少年レオン君。気弱でありつつも祖父の志を引き継いで、世界の謎を解こうと純と共に旅立つ決意をする優しい子です。

　しかし、やはり恋愛フラグはたちません。

　なぜなら、純には元の世界に彼氏がいるから！

　しょっぱなから恋愛フラグをへし折り、友情路線一直線。これもこの作品の特徴であり、魅力であると思います。恋愛展開は面白さではありますが、時として読んでいてストレス原因を感じる一因になることもあります……。

　しかしながら、本作は純が気付くのあくまで友情。心置きなく純と、他の仲間たちの人間模様、冒険に集中することができ、雰囲気としては爽やかな印象があります。

　しかしながら、世界の根本に携わるのはなかなかに根深い様子です。

　まだ物語は途中。今度どういった展開になっていくのかとても楽しみです。

　ちなみに番外編に、敵ポジであるとある２人にスポットを当てたものがあります。

　ＢＬ色が強めになりますので苦手でなければこちらもどうぞ。自由すぎる敵陣営に笑うと同時に、登場が本編への登場が待ち遠しくなります。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885514825