第8話

「着いたー!」


俺達は最初の街に着いた。


「行ってらっしゃいませ。お気をつけて」


「うん。ありがとう」


「よし、まずは冒険者ギルドに行くか!」


「「「おー!」」」


俺達は街の人に教えて貰いながらギルドへと向かった。




ギルドは俺達みたいな家から出たばっかりの人達で大忙しだ。


「すみません、冒険者登録したいんですけど」


俺は受付嬢さんに声をかけた。


「はい! 登録ですね! 残りの3人も一緒ですか?」


「はい」



「それでは説明しますね。まず冒険者にはランクがCからSまでございます。

モンスターにもランクがありましてEからSSです。

これらのランクは冒険者が無理をしないための目安の様なものです。

最初のランクはCからです。

ランクを上げるためには格上のモンスターを複数倒すか、何か偉業を成し遂げたとギルドに認められましょう。わかりましたか?」


「はい、大丈夫です」


「ではこちらの紙を持ってあちらの水晶に触れてステータスを確認してきて下さい」


「わかりました」


俺達はギルドの中央に置いてある水晶に触れる。


すると頭の中に情報が流れてくる。


―――――――――――――――――――――――――


[アルバート・シュタイン]


力:B


素早さ:D


防御:SS


魔法:B


スキル:【アイギスの盾】【自動防御】【防御力移動】【対象変更】【近接魔法:中級】【挑発】【ダメージブースト:防御】【ダメージ蓄積・上乗せ】


称号スキル:【守護神の申し子】


―――――――――――――――――――――――――


お、知らないスキルが沢山あるな。


そう思っていると持っていた紙に情報が勝手に記入されていく。


「終わりました」


俺達は記入が終わった紙を受付嬢さんに渡す。


「はい、お預かりします……ってええ!?

あなた達強すぎません!?

アルバートさんなんて防御SSじゃないですか!?」


「あのぉ……」


「はっ、つい取り乱してしまいました……ではこちらのギルドカードをどうぞ。

これで自分のスキルは確認出来ます。

能力値等はギルドにある水晶でしか見れませんのでご注意ください」


「わかりました、ありがとうございます」


「ちなみに冒険者の主な仕事は依頼をこなす事と迷宮を探索することの2つです。

迷宮はパーティーを組まないと挑戦出来ませんがパーティーを組まれますか?」


「はい、そうします」


「メンバーはこの4人でよろしいですか?」


「もちろんです」


「わかりました。メンバーを増やしたい時は掲示板に募集の書き込みをしてくださいね。では、パーティー名はいかがなさいますか?」


「パーティー名か……何がいい?」


「ガルムンズ!」


「却下」


フロウはふざけているのか? 真面目なのか? 真面目だと致命傷だな、命名センスが。


「アイギスでいいんじゃない?」


ナージャがそう言う。


「良いのか? 完全に俺のスキルだけど」


「「「賛成ー!」」」


「わかりました。アイギスですね。パーティーリーダーはどなたにしましょうか?」


「「「アルで」」」


「まじすか」


「かしこまりました。ではアイギスの皆さんは迷宮に参加出来るようになりました。

こちらのパーティーカードをどうぞ。これでパーティーの証明ができます」


「ありがとうございます」


「では以上になります。頑張ってくださいね」


「ありがとうございました」


俺達はギルドを出た。



「俺達もとうとう冒険者かぁ」


「ガルムさんみたいに目指せS級だね」


「いけるかなぁ」


「さぁみんな、とりあえず迷宮に行ってみないか? 王様に貰った装備まだ1回も使ってないでしょ」


「そうだね」


「わかった!」


「着いてくぜリーダー!」


「リーダーは止めてくれ」


「わかったよ、アル!」


俺達は街から少し離れたところにある迷宮へと向かった。



迷宮は1つの建物の用で下へ下へと続いている。



「迷宮に用か。ガキンチョ共」


いかついオッサンが迷宮の入口近くに立っている。


「僕達は冒険者です。迷宮に入りたいんですけど」


「ギルドカードとパーティーカードを見せな」


俺達はどちらもをオッサンに見せる。


「よし、お前らは初めてだな?

軽く説明するから聞いとけよ。


迷宮ってのは簡単に言うと生き物だ。


迷宮は沢山あるがそれぞれ階層数が違い、作りも違う。


ここは全25階層だ。


迷宮はランダムにモンスターを生み出す。で、10層ごとにボスを生み出す。

最下層にはもっと強いボスが生まれる。

ボスが生まれるタイミングは決まっている。その時は討伐隊以外は入れない。


で、最後に忠告だが迷宮にイレギュラーは付き物だ。半端な気持ちで挑むなよ?」


「わかりました。では」


「おう、気をつけてな」


俺達はオッサンに別れを告げ、迷宮へと入っていく。



――迷宮・1階層――



「早速モンスターだぞ」


迷宮に入ると装備を持ったゴブリンが5体現れた。


「まず私が牽制する!」


「ファイアーアロー!」


セリィがゴブリンに火の矢を撃つ。


「ギギャ!」


火の矢はゴブリンを貫き、胸に穴を開ける。


「よし!」


「続け!」


俺は皆に指示をする。


「うぉぉぉ!」


フロウは身体強化を使い、一瞬でゴブリンの近くに辿り着き、回転して一気にゴブリンの首を切断する。


「へっ、どんなもんだい!」


「もう終わりか。手応えが無いな」


「1階だからでしょ! もっと下に行こうよ!」


セリィがそう提案したのでどんどん下へと進んで行った。



――迷宮・18階層――


どんどん進んできたのでもう18階層まで来てしまった。


ここは少し暗く、モンスターも些か強そうだ。


「結構来たね……」


「大丈夫かなぁ。なんか少しずつ雰囲気が変わってきてるけど……」


「大丈夫だろ!」


「しっ! 何かいるぞ」


俺は奥にうっすらと何かがいるのを見つけた。


「オークよ!」


「オークって確かCランクの魔物じゃない! 私たちに倒せるの!?」


「逃げれるか……?」


「いやダメだ。完全にロックオンされている。皆、戦闘準備!」


「「「はい!」」」


俺達は武器を構える。


「挑発!」


俺は挑発を発動し、オークの注意をこちらに向ける。


「防御は任せろ!」


「おう!」


「闘気オーラ纏い!」


フロウはスキルを発動し、金色の光を斧に纏わせる。


「援助は任せて!」


「鉄壁をアルに! 斬鉄をフロウに!」


ナージャが魔法を使い、俺の防御力、フロウの攻撃力を上げる。


「目を潰すわ!」


「ファイアーアロー!」


セリィが火の矢でオークの片目を潰す。


「フゴオオオ!!」


オークは目を潰され、怒る。


「オラァ!」


フロウは目を瞑った隙に身体強化で接近し、足を斬る。


「フガアアア!!」


オークは膝をついたが、すぐに近くにいるフロウを薙ぎ払いで攻撃する。


「ぐはっ!」


「フロウ! ヒール!」


ナージャはフロウを即座に回復させる。


「フロウ、下がってろ! 俺が行く!」


俺は身体強化を発動し、オークに接近する。


「フゴオオオ!!」


オークは片膝をついたままで素早く動く。


チッ、片膝ついてんのに何であんなにはやぇんだよ!


「おらっ!」


俺は盾で攻撃を受け流しながら剣で攻撃する。


「フゴオオオ!」


オークは突然叫ぶ。


「何だ?」


「アル、あれ……」


ナージャが迷宮の奥を指さす。


「おいおいまじかよ……」


迷宮の奥から何十匹ものオークが現れたのだ。

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