122-1.手作りHMでホットケーキ①(マックス《悠花》視点)






 *・*・*(マックス《悠花ゆうか》視点)









 さあ、作るわよ作るわよ!


 ロティちゃんを連れてきたのは、レイのためもあるけど。単なる提案もあったのよね?


 いわゆる、サプライズ的な? 思いつきのために連れ出したのよねぇ?


 るんたったしながら、ロティちゃんのちっちゃな手を引いて。ロティちゃんを置いて行かない速度で厨房に向かい。


 到着した途端、夕飯の下ごしらえをしてた自分の契約精霊が飛びついてきたわ。



『ロティ〜〜!! お疲れでやんすぅうう!!』


『にゅぅ? ロティにゃんもしてにゃいでふよ?』


『重大任務でやんすよ? チャロナはんを見守ってたでやんすよね?』


『にゅ。でふぅ!』



 見てる分には微笑ましいのよね〜?


 赤ちゃん精霊とDK男子高校生くらいの精霊がハグしてるのは。


 ちょっと犯罪的? と思うのは無視。


 とりあえず、チーちゃん達に向けてのおやつ作りよぉおおおお!



「ちょっと、レイ。久しぶりにホットケーキ作るわよ!」


『はえ?』


「ロティちゃんとぎゅーはもういいでしょ! シェトラス〜、チーちゃんとエイマーのためにおやつ作るから場所貸して?」


「構いませんとも。ホットケーキと言うのは?」


「前のスフレパンケーキと少し似てるわ。けど、もっと薄いケーキよ?」


「なるほど。何かお手伝いは?」


「そうねー? ジャムの在庫は?」


「毎朝のように、プチパンやトーストをご用意しますので」


「うーん。アプリコットとかは?」


「かしこまりました。ご用意しますね?」


「お願いするわ〜」



 と言っても、あたしも一から粉の準備をしなくちゃだけど。


 レイと一緒に、材料を集めて。ロティちゃんは奴の頭の上に省エネモードで乗っかっている。



『米粉、小麦粉用意したでやんす』


『ゆーかしゃーん。いちじくがあったでふぅう!』


「いちじく! ジャムやコンポートにもよし。けど、生のままトッピングもいいけど。せっかくだからジャムにしちゃいましょうか? ホットケーキミックス作ったら、三人で作りましょうか?」


『でっふ!』



 まずは、ホットケーキミックス。前世では、市販のホットケーキミックスでも米粉を入れてたのが美味しくて美味しくて。もちもちふわふわになったから、自分で配合したのよね? 


 とりあえずチーちゃんが一部常駐させている、銀製器具シルバーアイテムの道具のひとつ。電子計量器である計りのひとつに、ボウルを乗せてボウルの重さをゼロクリア。



「砂糖、ベーキングパウダー、塩に米粉。これを入れてから、合計200gになるまで小麦粉を入れて」


『冒険してた頃は、てけとーに袋に入れてシャカシャカしてたでやんすね〜?』


「あ、そうね? ふるうのもいいけど。まだ時間があるし、そうしましょうか?」


『うぃっす』


『でゅふ!』



 で、これまたチーちゃんのアイテムのひとつ。ポリ袋に材料を入れてシャカシャカさせて。このポリ袋、チーちゃんが扱うと無限に使い回し出来るのよね? だから、捨てないでおくけど。


 出来上がったら、ボウルに戻して卵と牛乳入れて泡立て器で混ぜて。


 さらにさらに、チーちゃんのラップをかけて冷蔵庫で少し寝かせる。この間にいちじくのジャムを作るわよ!



「で、シェトラス。さすがにあたしはチーちゃんほど詳しくないから教えて?」


「では、今回は皮ごと使うのに致しましょう」


『「皮ごと!?」』


『でふ?』


「はい。実はエリザベート様より、昔お教えいただいたのです。しっかり煮詰めれば、皮ごとでも食べられるのですよ」


『『「ほ〜〜」』』



 作り方はそんなにも難しくはない。


 よく洗ったいちじくを、皮ごと適当な大きさにカット。鍋に、それと砂糖とレモン汁を入れて火にかけて。


 少し木ベラで潰しながら煮ていき、煮詰まったらもう少しレモン汁入れて混ぜて。


 とろっとしたら完成らしい。けど、ここでシェトラスは水を入れたコップを持ってきたわ。



「煮詰まり具合は、この水に少量落として。広がらずに落ちれば大丈夫だそうです」


「ふ〜〜ん?」



 で、スプーンですくったジャムを少量落としたら、たしかに広がっていった。


 なので、もう少し煮詰めたらビーズの玉のように水の底に沈んでいったわ。



「うっし! ジャムも出来たし。チーちゃん達もそろそろ部屋に戻ってるはずだから……レイ? ロティちゃんと一緒に呼んできてくれる?」


『うぃっす!』


『行ってくりゅでふぅう!』



 仲良し精霊達は手を繋いでからすぐにテレポートでいなくなったけども。


 それから、またすぐに戻ってきて、チーちゃん達が足がガクガクで使い物にならないんで部屋から出れないと伝言をもらってきて。


 あたしはすぐに焼きに取り掛かることにしたわ。

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