【幕間】クリームパン、チョコクリームパンのレシピ








 ★・☆・★






 真っ白い空間に、エイマーが立っている。



「久しぶりに私が受け持つ事になったよ。フィルド……さんにお渡しした二種類のクリームパンだ」



 パンパンと手を叩くと横にステータス画面のような板が浮かび上がる。



「復習も兼ねて、生地作りから説明しよう。チョコクリームの部分は、コロネと同じなので省略する事になってるから。あちらを参考にしてほしい」









『とろっとクリームパン』



 <材料>

《生地》

 卵(コカトリスでなくとも可)←溶いたものを

 牛乳

 砂糖

 塩

 強力粉

 マーガリン(あれば)

 常温バター(有塩よりは無塩)

 イースト(乾燥)



《別途必要》

 打ち粉

 照りつけのドリュール(溶き卵)




《フィリング》

 牛乳

 卵黄(コカトリスでなくとも可)

 全卵(同上)

 砂糖

 薄力粉

 コーンスターチ

 バニラオイル

 バター(無塩)







『とろっと、濃厚チョコパン』



 <材料>

《生地》

 クリームパンと同じく



《別途必要》

 打ち粉

 照りつけのドリュール(溶き卵)




《フィリング》


 →『チョココロネのチョコクリームを参考に』




《別途必要》

 ローストしていないスライスアーモンド






「先に生地作りだが、チャロナくんの言ってたように。材料と配合が違う以外特に変わらない。けど、作り方はそれこそ星の数もあると言われてるそうだ。なんでも、今回のお菓子タイプの生地はイースト……酵母の部分を酒のカスか何かで作る場合もあるが、今回は普通の作り方でいく。今回生地の部分は引用してくるので、振り返ってほしい」






 <作り方>



《生地》

 ①ナビゲーターが変換チェンジしたミキサーボウルに、材料をすべて投入

 →指定のスイッチを入れてミキシング(速度管理はナビゲーターの管轄)



 ②一次発酵の前に、生地の具合を確認



 ③発酵器ニーダーポット変換チェンジさせたら、付属のボウルに生地を入れて一時間ほど発酵

 →温度・湿度管理については①と同じく



 ④フィンガーテストを忘れない。指に粉をつけ、第二関節まで生地に指し、空いた穴が、ちょっとだけ小さくなれば大丈夫



 ⑤分割の時は生地の量に合わせて、軽く成形したら濡れ布巾をかぶせて15分ほどベンチタイム





「一次発酵の間にフィリングのカスタードクリーム作りに。つまりは、③の工程に移る直後が望ましい。チョコクリームが記載しないので、カスタードクリームのみ作っていくよ?」





《フィリング作り》


 ①粉類は、一度ふるっておく(だまをなくすため)



 ②バター、バニラオイル以外の材料をだまにならないようにボウルの中で混ぜてから鍋へ



 ③火にかけて、弱火で焦がさないように木べらで混ぜながら煮る


 *いきなり固まってくるので、だまにならないよう一気に練るのがコツ




「カスタードの重要なところが決まるところと言っていいそうだ。私も機会あれば挑戦したいね」




 ④バター、バニラオイルを入れてよく混ぜる



 ⑤バッドに均しながら入れ、ラップをかぶせて乾燥を防ぐ




「チャロナくんと、許可をもらった私やシェトラス料理長しか使えないアイテムだ。薄い綺麗な膜だが、これで乾燥させにくくなるのは素晴らしいね」




《成形》

 ①生地を麺棒で少しずつ円形に伸ばし、計りに乗せて、だいたい35gほどカスタード(もしくはチョコクリーム)をアンベラで乗せる



 ②包む時の生地の状態は、室温や湿度によって変わるが赤ちゃんほっぺよりもさらに柔らかいタイミングで。(詳しく言うなら、あまり伸び縮みしにくい状態がベスト)




「やはり、無理に引っ張ってしまうと。破れの原因になって揚げる時に大変な事になるそうだ。ここの見極めは、初心者の私やシェトラス料理長じゃさっぱりだが」



 <チョコクリームの場合>

 ③利き手にアンベラ。空いてる手に生地を持ち、軽くフィリングを均してからまんじゅう包みのように生地をとじていく



 ④とじ目を下にして天板に乗せていく



 ⑤霧吹きで軽く表面を濡らし、ローストしていないアーモンドスライスを一枚か二枚乗せる



 <カスタードの場合>

 ⑥生地を半分に折って、クリームが出ないようにとじ目をしっかりくっつける



 ⑦少し表面を均してから、分割に使うときのスケッパーで四ヶ所切れ目を入れておく(クリームはあまり見えないように)




「見えてもいいそうだが、あまり見えると焼く時にクリームが出てくるそうなので要注意らしい」




 ⑧等間隔に天板に並べ、天火機オーブン変換チェンジさせ、発酵機能をセットしてから天板を入れる

 →二次発酵は、40度で20分



 ⑨刷毛でそれぞれドリュールを薄く塗りつけ、天火機オーブンの予熱が完了してから焼く




「焼き立てよりも、冷ましてからが美味しい一品だそうだ。特にチョコは甘さが目立ち過ぎるので、冷やしてからがいいらしい」




 段々と、エイマーの姿が見えなくなっていく。

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