主張シリーズ……というか雑談
「私は怒っています!」
「うわ!開始早々どうしたんだ、花火!」
「いざ、コウキルの旅へ!」
「いや、分からない人もいるだろうから少なくとも説明はしてね!?」
コウキル。それは、この文字ラジオのパーソナリティであるコウキの残機を減らすこと。具体的に幾つの残機があると決まっているわけではないが、コウキがミスした時、ヘマした時、行為者の気分が向いた時に行うことができるスキルである。そうすることによって、ストレス発散などの効果が見込めるのだ。一方、コウキが他人にそのようなことを行うこともコウキルと呼ぶ。
リスナー《リーダー》のみなさんも、何かあれば気軽に使ってくださいね!byコウキ
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俺は一旦花火を落ち着かせて、机の向かい側に座らせた。
「急にどうしたんだよ。らしくないな」
「いいじゃん別に。シュン君には関係ないでしょっ!」
そう言って花火はプイッとそっぽを向いてしまった。……どうしたものか。
「だってさ、考えてみて?私達だけの作品(主張シリーズの元ネタ)がラジオに合併されるだけでなく、ラジオの寝落ちの理由にされるんだよ?飛んだ冤罪じゃない!」
「いや、そうだけどさ。ラジオと合併したことによって俺たちの登場回数が増えるわけだし。それに台本も来ちゃってるし」
「それにしても、今回なんか文字ラジオ休む時の繋ぎだよ?扱いが雑じゃない!どうせ私たちは都合のいい時だけ利用される存在なんだわ……」
そう言って花火はハンカチを手にして口元に当て、嘘泣きをしてみたことあるようなポージングを取った。だけど……。
「だけど、やってくれたらタピオカ買ってくれるって」
「タ!?」
「花火の好きなほうじ茶と……」
「ほ!?」
「豆乳のやつ」
「と!?」
語彙力が低下していた花火は、耐えきれずに叫び出した。
「わかったわよ!やればいいんでしょ、やればっ!言っとくけど、私は物で釣られるような軽い女じゃないんだからねっ!」
ちなみに、俺が花火を物で釣ったのはこれで23回目。俺がやったことではあるが、将来が不安な幼馴染である。
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「台本によると、今日は主張するというよりも最近の話題について話すらしいよ」
「ちゅるちゅるちゅーちゅる(題名詐欺じゃない)!」
「タピオカ飲みながら話すな!行儀悪い」
「最近の話題といえば、やっぱり京アニ?」
「そうだね。あそこは名作品をたくさん作ってるからね。けいおんとか」
「なんだっけ?それ。聞いたことあるようなないような……」
「♫〜♪〜♩(鼻歌)のやつだよ」
「あー!それカラオケで歌うやつ!これアニメの曲だったんだね」
(会話形式だとモノローグを入れる隙がなくて困っているコウキ)
「あとほら、この前貸した『ヴァイオレットエヴァーガーデン』とか」
「あっ!えっ!?あれアニメ化してるの?」
「うん。あれは原作が最高だったからね。京アニが作って神アニメじゃないわけがないよね」
あ、チャンス!ヴァイオレットエヴァーガーデンとは……。
「ヴァイオレットエヴァーガーデンっていうのはライトノベルなんだけれど、読んでみた第一印象は全然ラノベみたいじゃないんだよね」
「そうそう!私もラノベを読むのは初めてだったけれど、すんなり読めたもん。シュン君が土下座してまで頼まなかったら読まなかったな〜」
「あれは神作品だからね。1話ごとで泣けるし、ストーリーもしっかりしてるし。もう完璧だよ。もちろんアニメのクオリティも高くて、泣いてばかりだよ」
「えー、早くみたい!今度シュン君の家に見に行くね!」
……(やっと説明の機会が来たと思ったら取られてしまって悲しむコウキ)。
「でもあんな大きな火事は初めてみたかも」
「そうだね。放火ってやっぱひどいことだと思うんだよ」
「今は入院中なんだっけ?多分自分も死ぬ気でやっているだろうから、あれだけの人が死んでいても死刑にするのと容疑者の望みが方法は違えど同じ方向なのは納得いかないよね」
「うん。この国の刑法も考えものだね。まぁ人間が作ったものが完璧でないのは仕方ないけれど」
「刑法といえば決まり、決まりといえばつい先日選挙があったわね」
「うん。もうすぐ選挙権が得られるなんて信じられないよ」
「でも若者の意見って大事だと思うから、ちゃんと選挙しに行かなきゃね!」
「そうだね!これからの日本をより良いものにしていけたら良いね!」
「それでは、皆さんさようなら!ここまでのお相手は花火と?」
「俊でした!」
「……そういえばもしかしてだけれど、シュン君の漢字って今回初めて出た?」
「そうかもね。お前がカタカナで呼んでるから」
「私のせいにするなっ!あ、
「さっき飲んでたじゃん!?あれは自分で買ったものだったの?……それでは、ばーいちゃ!」
……(なんかいい感じに締められて、立場がないコウキ)。
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