ユカ②

その日は、他にもいくつかホストのことを質問され、その後ユカと解散した。


俺は寮に向う電車内でユカへのLINEを打っていた。


LINEでも深く聞かない方が良いなと思った。


「今日はありがとう楽しかった!気をつけて~」


お礼のLINEを送った。


「うちも楽しかったありがと!」


予定の無かった俺は、ユカにLINEを返していた。


また他愛の無いやり取りをしていた。


今日は休みだったので部屋に帰り、スマホをいじっていた。


寮に比べて、一人部屋はすごく快適に感じた。


その反面、帰ったら誰もいないことに少しさびしくも思った。


休みが明け、出勤日となった。


俺はいつものように服を着替え、髪のセットに行き、店にいた。


掃除を終えて、開店した。


開店して1時間ほど経ったくらいだろうか、ユカからLINEがきた。


「お店に入る時って住基カードでもいけるっけ・・・?」


「いけるよー」


マイナンバーカードが出来る前までは、パスポートや免許証を持ってない人は

住民基本台帳カード(住基カード)を顔つきの身分証として使っていた。


ホストクラブに行ってみたいというより、外の世界、知らない世界へ行きたいと言ってるようだった。


あまり他の世界を知らないため、外部への好奇心がある


または、何かから逃げたいのか。


客が店に来る理由は何でもよかった。


なぜ来たか、なにをしに来たか、そんなものはどうでもいい。


ホストクラブで大切なのは、理由ではない。


いくら使ったか、それだけだった。


金を使う理由など知ったところで意味がない。


LINEから1時間ほどでユカは近くまで来た。


内勤にユカを迎えに行く旨を伝え、店を出た。


すぐ近くまで来ていたが、ミナミの繁華街はさすがに怖かったらしい。


店を発見したが、入れないでいたらしい。


「お待たせ。」


俺はユカと一緒に店へと向かった。


一応システムを説明したのだが、頭の悪いユカには伝わらなかったようだ。


ユカは頭が悪かった。


天然な部分もあるが、天然というより理解力がないという感じだった。


ただ、その方が都合はよかった。


内勤からの説明も軽く済まし、すぐ俺に指名が入った。


多分今ユカは金がない。1セット2000円で帰らそう。


最初からそう思っていた。


今後どうもっていけば良いかのアドバイスが欲しかった。


俺はヒカリにヘルプに着いてくださいとお願いをした。


ヒカリさんは案の定、快諾してくれた。


まず俺が席に着き、ユカと話す。


他愛無い話をして全力で楽しませることにした。






































  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る