第7話 泊まらず帰る

 愛し合ったあとは

 一緒に

 朝までいたい。


 康一の

 腕枕で

 眠りたい。


 なのに。

 康一の携帯のアラーム

 もしくは

 奥さんからの電話。


 彼が帰りを告げる。

 もう帰らなくちゃと言う。


 何度も愛していると

 私に言いながら

 抱きしめておいて

 私の知らない女の待つ家へと帰る。


 なんで置いていくの?


 会計を先に済ませてあるから

 ゆっくりしてけよなんて

 一人でこんな広いベットに

 こんなホテルに

 一人で寝ていられる?


 彼も私も泊まらず帰る。


 朝までいたことはない。

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