口紅は偽り

 赤い紅い口紅を差して、泣き腫らしたような目をした君は、とても美しい。君は、何も恥じることなどない。隙がない君が、ふと微笑む瞬間が、僕は好きだよ。

 思い出は古傷。私のせいにされた、過去。傷つかないわけないじゃないか。終わりよければすべてよし。すべて、清算される。

 残酷な世界だね。濡れ衣だろうと、偉い人が信じたら、それは罪なんだよ。痛いね。何が痛いんだろうね。心は何処にあるんだろう。

 お前のせいだ。俺は悪くない。


 痛いね。痛いよ。

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