収録


「さあ、始まりました。凪坂ってナギナギー! 司会は私、新谷大二郎がお送りします。そして、彼女たちが……凪坂ちゃんだぁ!」


「「「……」」」


          ・・・


ま、前の収録の声は!?


「お前ら、どうしたんだ……元気出していこうぜ!この前の元気はどうした!?」


「今回は……プレゼントないんで」


「……柿谷テメー。世間ナメてんじゃねーぞ。普通はプレゼントなんてないんだよ」


「なんでですか?」


「不況だからだよ!」


「なんで不況なんですか?」


「安倍晋三に聞け!」


「日本はなんでこんなに借金があるんですか?」


「安倍晋三に聞け!」


「日本はこの先どうなるんですか?」


「安倍晋三に聞け!」


そんな質問をお笑い芸人に求めるんじゃないよ。


「さて、今日の企画は『急げ急げ急げ!早くしないと間に合わなくなっちゃいますよーゲーム!』」


「「「いぇー!」」」


「……逆によくこのタイトルで盛り上がれるな」


ほぼ確信犯というぐらいに、盛り上がりどころを間違える凪坂46のメンバーたち。


「どういうゲームなんですか?」


「本田……せめて、内容を知ってから盛り上がるように。基本的には、この箱の中身を当てるゲームです」


「ボール!」


「今じゃねーよ!これは、見本だ。2チームに分かれて1人ずつリレー形式で問題を当ててもらうゲームです。しかし、横には巨大風船があって、どんどんそれが膨らんでいきます。制限時間に応えないと、それが破裂してしまうから気をつけてください」


「はい!」


「なんだ、柿谷?」


「結局、なにが言いたいんですか!?」


「ルールだよ!」


それ以外のなにものでもない。


「はい!」


「なんだ、東郷?」


「強大風船が割れたらどうなるんですか?」


「いや、怖いだろ」


「怖くない人はどうすればいいんですか?」


「……よかったじゃねぇか」


野暮なことを言わせるんじゃあないよ。


「それでいいんですか!?」


「よくねぇよ!バラエティ的には0点だよ!」


「じゃあどうすればいいんですか?」


「……俺にそれを言わせるんじゃねぇよ。でも、わかるよな?」


ヤラセになっちゃうだろうが。


お約束ってやつだろうが。


「はい!」


「なんだ海原?」


「それってパワハラじゃないですか!?」


!?


「全然違うよ!なんてことを言うんだお前は!だいたい、俺にパワーなんてねぇよ!」


「……そうでした。ごめんなさい」


「そういえばパワーないわよね新谷さん」「悪いこと言っちゃったかな。パワーないって」「いや、でもパワーがない方が悪いんじゃない?」「その前にパワーないのにパワハラって最悪じゃない」「その場合って、なんて言うのかしら?」「パワーナイハラじゃない?」「フフッ……パワーナイハラ」「パワーナイハラ」


・・・


「……お前ら」


知っているか、大人だって傷つくんだぞ。


「ごめんなさい、パワーナイハラさん」






















俺のあだ名みたいになってるー!?

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