立花さん家は大忙し。

宮下ゆずき

第1話

AM6:00

隣の部屋からドゴッとものすごい音がした。かなたは、「またか....」と呟く。かなたはベッドから、降りると、隣の部屋へと向かう。そして、ドアの前で、「母さん、大丈夫?」と声をかけた。いつもなら直ぐに返事が返ってくるのだが、今日は、返ってこない。流石のかなたも心配になり部屋のドアを開ける。「母さん、大丈夫?」と言いかけて、かなたは固まった。かなたの目の前には、下着姿の母が蹲ってるところだった。

「いったぁ.....!!」

「母さん、大丈夫?」

「な、なんとか.....?」

「いや、なんとかじゃないでしょ。今日も結構響いたよ?」

「思いっきり、落ちた。いつもより、落ち方が酷かった気がする。」

「母さん、今度ベッドの柵買いに行こう。」

「えぇ、大丈夫だって!そこまでしなくても!」

「毎日落ちてる母さんが言うと説得力ないから。」

と言うと、かなたは妹のななを起こしに行った。「ななー!朝だぞ、起きろよ。」と声をかけると、「もう起きてる。おはよう、お兄ちゃん。」と声が返ってきた。

「あぁ、おはよう。」と返して、かなたはキッチンに向かった。

顔を洗って、歯を磨いて、制服に着替えて、エプロンをつけ、朝ご飯を作る。

弁当も自分の分と母の分と2つ作る。


AM7:00

みんなで家を出る。

「かなた、なな、気をつけてね!」

「母さんこそ。」

「そうだよ!ママ、おっちょこちょいなんだもん!」

「気をつけます。」と母さんがお辞儀をしながら言う。それにならって、ななもお辞儀をしながら「気をつけてください。」と言う。

いつものルーティーンだ。

「じゃあ、いってきます!」とひなたが言うと、

「「いってらっしゃい!」」とかなたとななの声が重なる。

「あ、母さんいってきます。」

「ママ、いってきます。」

かなたとななもそれぞれ学校へと向かう。


PM16:00

いつも1番に家に帰るのは、なな。

誰もいない家はいつもより、寂しく感じさせる。鞄を自分の部屋に置き、部屋着に着替えて、洗面所に向かう。手を洗い、着ていた制服を洗濯機に入れて、洗濯機を回す。

その間に宿題を済ませて、晩御飯は何がいいか、悩んでいると、かなたが帰ってきた。

「おかえり。」

「ただいま。」

「お兄ちゃん、今日の晩御飯何にするー?」

「あー、何にしようか.....」とかなたも悩み始めた。

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