追憶


 ひとの記憶には、

 魔法が掛けられてるんだって。


 だから、想い出はあんなに、優しい色をしてるのかもね。




【追憶】




 斜め射しの夕日

 色褪いろあせた記憶が住まう

 机の並ぶ部屋



 想い出すべて拾い集めて

 胸のアルバム

 貼りつけてきたはずなのに



 気づいたら


 ひとつだけ足りない



 叶えるはずだった夢

 それを追ってた心の炎は

 どこに置いてきちゃったのかな


 今はただ 色褪いろあせた日常が

 記憶の日々を際立きわだたせるだけ



 もう一度

 夕日が差し込むあの部屋へ


 日が沈んだら

 手探りでもいい

 探してみようか



 もしかしたら


 今の鮮やかさに もう一度

 気がつくだろうか





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