00-0:人物紹介(第3章まで)

 《 3章で新たに登場した人物 》


【 フェリシア・カーディフ 】(ヒト)

 ダークブロンドの腰までの髪、青眼、身長162㎝。

 ラナ(イリーナ)の母親であり、ハルの祖母。十六歳のとき、実兄シリルと関係を持つ。魔王ルシファーと契約し、彼の子供であるラナを妊娠。十七歳で出産した。

 しかし、実兄との関係は父レイモンドに許されるはずもなく、敷地内の離れに娘ラナとともに軟禁される。次第にシリルとの関係も希薄になり、その寂しさと孤独から逃れるために、ルシファーの力を借りて、自我を虚像の世界に埋没させた。

 フェリシアが二十九歳のとき、赤ん坊のラナに見立てたドール人形が、階段の踊り場から落ちて砕け散ってしまう。それがきっかけとなり、怒り狂ったフェリシアは、ラナを首に手を掛け殺害しようとした。だがルシファーにより、彼女の魂は喰われてしまう。



【 シリル・カーディフ】(ヒト)

 栗色の肩までの髪、緑眼、身長178㎝。

 ラナ(イリーナ)の父親であり、ハルの祖父。十八歳のとき、実妹フェリシアと関係を持つ。

 自分の子をはらんだフェリシアを妻にめとろうとするが、父レイモンドの強い反対に押される形で、商人から成りあがった貴族の娘と結婚してしまう。

 ラナが生まれた後、フェリシアとの関係を清算すべく、ラナを里子へ出そうとするが、そのたびにフェリシアが狂ったように暴れるため、次第に彼女たちがいる離れに足を踏み入れることはなくなる。

 シリルが三十一歳のある夜、ルシファーにより引き起こされた荒天の中、悪魔たちに屋敷を襲撃され、その魂が喰われてしまう。



【 レイモンド・カーディフ 】(ヒト)

 フェリシアとシリルの父親、ハルの曾祖父。二人の関係を知り、カーディフ家の存続との間で思い悩む。

 フェリシアに堕胎を迫るが本人にかたくなに拒否されたため、仕方なく、敷地内に離れを作り、そこに彼女を住まわせる。レイモンドは、生まれた子どもを里子へ出し、何事もなかったかのように、フェリシアを本宅に戻すつもりだった。だが、出産後のフェリシアの精神が不安定になり、手が付けられなくなったため、離れから出すことができなくなった。

 シリル同様、ラナと契約したルシファーの手により、悪魔たちに屋敷を襲撃され、その魂が喰われてしまう。



【 ラナ・カーディフ(イリーナ・エヴァット) 】(ヒト)

 栗色の胸までの髪、緑色の切れ長の眼、身長154㎝。

 フェリシアとシリルの娘、ハルの母親。生まれたときから、カーディフ家の離れで軟禁生活を送っていた。そしてラナが十二歳のとき、フェリシアに殺されそうになるが、結果としてルシファーに助けられる。その後、ルシファーとの契約を結んだラナは、カーディフ家の直系をすべて滅ぼし、その領地に住む民を飢餓へと追いやった。

 ラナは名をイリーナと変え、体を売りながら各地を放浪する。とある土地で出会ったグレイ・エヴァットと夫婦になり、二人の子供を授かる。その出産の際、ルシファーが契約の報酬をもらい受けるために突如現れた。魂を喰らうのは出産を終えてからとラナが懇願すると、生まれてくる子はすぐに命が尽きると、ルシファーに告げられる。ラナは子供の命を助けて惜しいとすがるが、ルシファーにその魂を喰われてしまう。



【 アジダハーカ 】(悪魔)

 紫色の鱗甲りんこうに覆われた巨大な三頭竜。ヒト型になると、銀色の腰までの長髪、赤眼、身長156㎝。

 ルシファーにより創られた悪魔。その力の強さは、彼一人だけで人間界に三分の一が破壊できるといわれているほど。

 しかしヒト型になると、十三歳くらいの熾天使ミカエルと同じ容姿へと変わる。それを直視できないルシファーが、ヒト型が保てないよう、アジダハーカの魔力のリミットを密かに外した。

 魔力が制御できなくなったアジダハーカは、しばしば暴走を繰り返す。そのせいで、アジダハーカは、魔力の使えないサタンの居城のろうに閉じ込められていた。



【 アスタロト 】(悪魔:公爵、七十二柱二十九位、元座天使)

 白色の腰ほどの長髪、細身、身長174㎝。

 地獄の支配者の一人であり、過去と未来の秘密の番人といわれている。ルシファーに負けず劣らずの美貌を持つ。だが、その口から吐き出された猛毒に触れると、上級悪魔でももだえ苦しみながら滅びる。

 魔王ルシファーを誰よりも崇拝しており、その一点でのみベルゼブブを信頼している。

 アスタロトにとって、天界ヘブンこそが自分の本来のいるべき場所であり、ルシファーが神となる場所であると、今でも固く信じている。


 *『七十二柱』

 →地獄ゲヘナの内政を担う悪魔たちの総称。王、君主、公爵、侯爵、伯爵、騎士、総裁という爵位が存在する。だが、この爵位が七十二柱の序列に反映されるわけではなく、内政の貢献度で順位が決まっている。



【 ベルゼブブ 】(悪魔:蠅の王、七つの罪源『暴食』をつかさどる、元熾天使)

 青みを帯びた黒色の長髪、中肉中背、身長187㎝。

 地獄の支配者の一人であり、ルシファーの最側近。その力は、サタンをもしのぐとうわさされるほど。

 魔王ルシファーを敬愛しており、彼女のためならばどんな犠牲をもいとわない。

 ベルゼブブの出自は特異なものらしいが、詳細は不明。



【 バアル 】(悪魔:王、七十二柱一位)

 金の王冠を被った老人の顔を中心に、その左右に猫とひきガエルの頭があり、胴体は蜘蛛クモという異様な容姿。その容姿とは裏腹に、高い知識を持ち、策略にも精通している。

 表立ってはいないが、ベルゼブブの配下におり、七十二柱の悪魔たちを裏で巧みに操っているらしい。



【 アガレス 】(悪魔:公爵、七十二柱二位、元力天使)

 濃紺のフードを被る老紳士で、大地を揺らす魔力を持っている。一見すると誠実そうに見えるが、彼の言葉には常にうそが含まれているため、信用ならない。

 アガレスは七十二柱の一部とマモンを取り込み、支配者の座を狙っている。



【 アガリアレプト 】(上級悪魔)

 紅褐色(こうかっしょく)のショートボブ、細身・身長153㎝。

 ルシファーの配下で、家老を務める。弟のサタナキアとともに、クリンタ宮殿の内廷部に住むことを許された悪魔の一人。

 彼らが今の地位にいるのは、魔王ルシファーによるものらしく、アガリアレプトとサタナキアは狂信的にルシファーを崇拝している。そのため、サタンの居城に幽閉されたルシファーを解放すべく、ベルゼブブに張り付いて直訴しているらしい。



 《 作中に名前だけ出てきた人物 》


【 ベルフェゴール 】(悪魔:七つの罪源『怠惰』を司る)

 ルシファーの血を受け継ぐ悪魔の一人。ルシファー直下の軍の作戦立案を担い、権力よりも探求心が強く、悪魔の中では変わり者。大の女嫌い。



【 サタナキア 】(上級悪魔)

 ルシファー直属の軍の将軍を担う。姉のアガリアレプトとともに、クリンタ宮殿の内廷部に住むことを許された悪魔の一人。

 また、女を意のままに操る能力があり、似通った能力を持つ夢魔のサキュバスをライバル視している。にもかかわらず、女の容姿のサキュバスは好みらしく、何かにつけてサキュバスに関係を迫ってくるらしい。




 *なお、天使や悪魔の位や役割等は諸説あります。当作品に出てくる人物に関しては、物語に合わせてアレンジを加えていますことをご承知おきください。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る