オリジナルキャラの短編集
@SHERT_HIKARI
Where my master?
-1-
物心ついたときには、という言葉がある。主に回想する場面で使われる言葉。とても便利な言葉にも思えるので、私も使うことにしよう。
物心ついたときには、私は自身の願望をしっかりと把握していたし、それに全てを捧げることを決めていた。
願望を叶える為ならば如何なる努力も苦ではなかった。むしろ高まっていく己が能力に快感を覚えていたともいえる。
けれども、如何に己を高めても、願望が叶うことはなかった。欲望が満たされることはなかった。
私の理想、私の夢、私の願望、私の欲望。
私に充足を与えてくれる存在は、何処にいるのか。
私は、生涯を捧げる主を求めていた。
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