わかるやつからいきましょう
「どうだった?」
「楽しかったー!」
「いや、そういう話ではなくてな?」
なんだよ楽しかったって。
「どういうことをしたらいいって思った?」
「んー、お姉ちゃんはそういうことはわからないんだよねー」
一応聞いたが、案の定であった。
「じゃあ、まずは短剣の組からいいか?」
レインがいるからわかりやすいのだ。
それなりに使えてたし。
自分も得物は小太刀だし。
「短剣っていうのはその小回りで手数勝負だと思われがちなんだけど、俺は違うと思うんだ。だってそんな何回も斬りつける間に相手も黙ってないだろ?」
アニメとかなら目にも止まらぬスピードで5回斬るとかあるけど、普通なら慣性で引き戻すのにも時間がかかる。
「たがら、短剣は小回りの利くヒットアンドアウェイ用の武器だ。さて、ここで、問題です。ヒットアンドアウェイの何が有利な点でしょうか」
「よろしいでしょうか」
「はい、そこの方」
短剣部門のメイドさんの1人が手をあげる。
「私のような非力でもダメージを蓄積させられるという点ではないでしょうか」
「それもあるだろうな」
短剣は短い分力が伝わりやすい。
ダメージを蓄積させる点においては深い傷をつける必要はないので有利だ。
「俺は一方的な状況に出来るのが最大の利点だと考える。いつでも攻撃の手番はこちらだし。反撃に対しては基本的に避ける動きをしてるから対処はしやすい」
「「なるほど」」
「これは鞭の方にも言えるな。鞭はとにかく相手の間合いに入らないこと。鞭は先端であればあるほど威力は強いから距離を開けることにメリットがあるしな」
鞭の組も頷く。
「だから、短剣は自分がどこから踏み込めば相手に自分の攻撃が届くのか。そして、一歩でどこまで退けるのか。鞭は自分の鞭はどこまで届いて、制御できるのか。そして、どこから内側に入られたら嫌なのかを把握することだ」
「「はい!」」
「で、これはたぶん短剣と鞭はペアでできるから、やってみてくれ」
「「はい!」」
返事の圧で一拍おいてしまったが、とりあえず一理あると思ってくれたらしいのでいそいそとペアになって間合いをはかりだした。
自分でも意味があるか断言は出来ないが、自分の攻撃の有効範囲くらい知っておいて損はないはずだ。
「じゃあ、次は剣と盾の人たちいこうか」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます