戦いは終わらない
「ケイン!!」
慌ててケインに近寄る。
「リブレよ! どうやら我々の攻撃は効いていたようだな!」
「そんなことより! お前の眼が!」
「む? あぁ、これは避け損ねてな。あの靄が眼をかすったのだ。するとこれだ。痛みはないが、視力は失われたな」
「なんでそんな淡々と……!」
俺が油断していたせいで……!
「リブレ、自分のせいでなどと思いあがるなよ? これは俺が弱かったが故に起きたことだ。幸い、痛みもないし、俺はまだ戦える。指揮する側の人間がそう簡単に心を折られるようではなぁ」
攻撃を受けたはずのケインから想像より厳しい言葉がとぶ。
「まぁ、要するにだ。戦いはこれからだということだな。わはは!」
……。
片眼を失ったケインが戦意喪失していないのに、俺が諦めるわけにはいかないよなぁ!
無理やり気持ちを奮い立たせ、指示を飛ばす。
「
不幸中の幸い、と言っていいのかもわからないが、あの靄の効果がわかったことは大きい。
さらに言えば、ケインだったからこそ咄嗟でもかすった程度で済んだのだ。
これがレインで、腕を持ってかれていたとかだったらもう撤退を意識しなければいけなかった。
あの靄の動きは今のところ俺たち3人に向いているだけでいつ更に増えたりするか、他の人に向いたりするかわからない。
そうか。
「レイン、ケイン、固まってくれ」
「?」
俺がケインのところにいたのでレインが寄ってくる。
「俺が3本まとめて面倒見るから、攻撃に集中してくれ」
「そんな! 危険ですよ!」
「さっき、レイン1人にあの靄を任せていた時の方がよっぽど危険だろ?」
「でも……!」
「いいから任せろ」
あのくらいの速さなら3本相手でも対処できるだろう。
キラとの
あれに比べればこんなのゴミだ。
「何か僕に関することを考えてないかい?」
「別に? レインを助けてくれてありがとな」
「お安い御用だよ」
朗らかに笑ったキラはまた姿を消す。
キラに任せるとは言ったものの、この姿を消している間はキラは何してるんだろうな。
ピンチにはしっかり駆けつけてくるし。
さて。
あの靄を伸ばす相手が増えたってことはそれだけ追い詰められているという証だろう。
それでケインもあの状況で喜んでいたわけだしな。
俺たちが追い詰めつつあるというのはどうやら間違いないようだ。
まぁ、状況は依然としてこちらが不利なんだけど。
だってあの靄しっかりくらったらこっちは即死だろ?
まぁ、けっこう時間も経ってきてるし、そろそろ確認しとくか。
「オーシリア」
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