鬼が豪華だと逃げる側は絶望だ
「キラ」
「そうだね、この人数になると個別にっていうのは難しいかな」
「あぁ、俺だけで鬼をやるっていうのも無理がある」
過労で死んじゃう。
「じゃあ、こうしよう」
キラが確認を取る。
「僕と、リブレ君、さらにレイン君とプリンセ君で鬼というのはどうかな」
「ほう」
「僕とリブレ君はそもそもやったことがあるし、基本的には適任だろうね。レイン君もこれまでのを見てるし、実力も折り紙付きだ。プリンセ君は、すごーくやりたそうにこっちを見てたから入れておいたよ」
振り返ると、無表情ながら喜んでいるプリンセ。
そんなにやりたかったのか。
「鬼ごっこというやつをしていたのか?」
「あぁ、ルールは……」
一応、知らなかったようなのでかいつまんでルールを説明しておく。
「理解した。人間はそんなものをするのだな」
「今回は獣人族も
「うむ、我らにそのような習性はないからな。逃げる際は這う這うの体ということが多い」
だな。
虎族との戦いの時にそれはわかっている。
鷹族に空を飛ばれて逃げられたら面倒だろうとは思うけど。
この世界の飛び道具は魔法だからな。
俺じゃ無理だけど、レインとかなら苦にしなさそうだ。
「そういうところを不肖俺たち
「そうか、今から私たちは《雷剣》、《
「そうやって並べられると、やっぱなんか俺だけおかしいよな」
横文字だし。
格好良くないし。
明らかにパソコンの検索エンジンだし。
その知識がヘスティアさんにあるのかは知らないけど。
つけられた俺としては明らかに作為を感じる。
「うん、じゃあ、俺たちが全員鬼で追いかけるから、街全域を範囲として全員逃げてくれ」
「ほう、そんなに大人数でいいのか」
「あぁ、じゃあ、始め! あ、獣人族は人の姿で頼むぞ」
獣の姿だと流石にきついものがある。
注意だけして、みんなが逃げるのを見ながら2分数える。
「みんな、順番はわかってるよな?」
「うん」
「はい」
「……んゅ?」
あ、一人わかってない人いた。
「とりあえず、アミラとか、エイグとか、実力があるのがわかっている奴らを人数が多いうちに追い込む。いくら実力があっても、他の人に邪魔されたら自由に動けないからな」
「……ん、わかった」
「よし、じゃあ行こうか」
数を数え終わり、まずは
俺とプリンセ、レインとキラだ。
この組み合わせはプリンセがキラを苦手にしているというところに原因がある。
以前よりは仲良くなっているのだが、やはり初対面の印象が強いらしく、2人で行動するのは頑として嫌がる。
そこで、なんでもこなせるレインとキラを組ませ、攻撃のプリンセと防御の俺になるというわけだ。
「……いた」
「こちらに来たか」
俺とプリンセ、そしてオーシリアは空から眺め、アミラを発見する。
「……行っていい?」
「あぁ、フォローは任せろ」
とりあえずはプリンセに任せてみよう。
やる気満々だし。
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