親への挨拶は緊張します
「馬はもういいな……」
「僕もです……。うぷっ……!」
「楽しかったよ……?」
隣国につくので既に満身創痍。
レインは吐きかけて蹲ってしまった。
帰りもこれに乗るのかと思うと今からげんなりしてくる。
一方馬はというとまだまだ走り足らなそうにしている。
流石は
しっかりしつけられてる。
「しつけとかじゃなくてこれは天性のものですよね……? うっ……?」
「レインはもうしゃべるなよ……」
そんなにツッコミたいところだったか今。
よほどこの馬に恨みを持ったらしい。
しかし、こいつのおかげで早くつけたことは事実なのでそこは労ってあげて欲しい。
レインの回復を待ってからカイルさんもいる城へ。
「わたし、一回自分の部屋に寄ってくるね……」
「了解、後でな」
プリンセはそんなわけで別行動。
俺とレインだけで執務室へと向かう。
「おう、よく来たな」
「やっぱばれてた?」
「まぁ、そろそろ来る頃だろうとは思ってたよ。座ってくれ」
お言葉に甘えて椅子に腰を下ろす。
「で、なんだ? 協力申請でもしに来たか」
「まさか。違うのはわかってるくせに」
「
信用されてないなぁ。
「
「あぁ、それはご苦労だった。見たところ、そっちは随分消耗しているようだが? 暑さか?」
「そこは突っこまないでくれ……」
レインが思い出して顔が青くなってきたので背中をさする。
「で、肝心のプリンセちゃんはどこだ?」
「一回部屋に戻るとか言ってたけど」
「話は……聞かせてもらった……!」
プリンセがドアから突入してきた。
「わたしは戻らないよ……! リブレさんたちと一緒にいる……!」
「いや、プリンセ。そうは言ってもな? これから生きるか死ぬかの戦いになるんだ。そこに6歳のプリンセを連れていくわけにはいかないだろ?」
「なら……! 戦争の時は……なんだったの……!」
あー、そっか。
プリンセはもう実戦経験あるんだった。
「おじいちゃん……!」
「な、なんだ?」
あまりのプリンセの圧に
「お父さんを……呼んで……!」
「よしわかった」
カイルさんは側近にその旨を伝える。
「行動が早いな!?」
「結局こうした方が早くなるだろうってことだ。こっから先はちょっとぐちゃぐちゃしててわかんねぇな」
ここから先に俺とかレインとかが関与すると……?
「お呼びですか」
ドアから狭そうに大柄な虎の獣人族が入ってくる。
カイルさんより大きいかもしれない。
いや、そんなことより……。
「む」
「あ、その節はどうもー……」
俺とこの人物は戦争で直に対面し、一応俺が勝利している。
率直に言えばばつが悪い。
「お前か。ここにいるとはな」
「あー、色々とご縁がありまして……」
戦争の時は自らを誇示するような感じだったが、普段はどちらかと言えば口数が少ないタイプのようだ。
プリンセのは遺伝か。
しかし、プリンセは黙っててかわいいからいいのだが、こっちは謎の圧を放っている。
怖い。
「お父さん……わたしも、リブレさんたちと一緒に幻想級と戦いたい……!」
「許さん」
ですよねー!
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