世界の理
王様にまた呼び出されたレインと俺はキラに連れられて謁見の間? みたいなとこへ進む。
「また怒られるのかなー?」
びくびくしながら俺が言うと、
「なんで前はあんな傲岸不遜な態度とってたのに今はそんなに怯えてるんですか。キャラのぶれがすごいことになってますよ」
いやそこ気にする?
「俺は元々大勢の前に出れるような人間じゃないんだよ。前は王様だけだったから余裕だったけど今回は大勢いるんだろ? そもそも俺はさっきの発表会でかなり消耗してるんだよ! あの場に出るだけで俺の精神のHPは減り続けてたからな!?」
キャラはぶれてない。大丈夫。
「いやあれを発表会で済ませるのはどうかと思いますけど……」
そういえば……。
「お前らは俺の能力を聞いても怯えないな?」
「リブレさんにいちいち驚いてたら体力の無駄遣いです。そんなとこに割く労力があるならリンゴの皮むきでもします」
いやそこにかかる労力そんなにないだろ?
「あははっ。まぁ
「でも俺に表層の感情を知られてるってことになるんだぞ?」
「まぁ仕方ないですよ。それで困るような感情が出てしまうならリブレさんの目を潰します」
いや解決方法怖っ!
「よく来たな。今回の一件大義であった。この国の王として礼を言う」
謁見の間についたら中には王様とルーリア、ハンネしかいなかった。
「テンドは記憶が混濁しておるが操られていた間の記憶はないようだ。すぐに目を覚ましたから体のほうに影響もない。さすがキラよ。いい腕をしている」
「ありがたきお言葉」
周りに人がいないので態度がでかくなる俺。
「これは王様から褒章なんか出ちゃうわけですかね?」
「そうだな。しかし、わしとしてはここにお前を招いたことが今回の褒章となるのではないかと考えている」
「どういうことだ?」
「説明を……、いやその必要はないようだ」
途端にこの部屋が真っ白になる。
「あれ? 俺の色彩感覚おかしくなった?」
「リブレさん、僕も周りが白にしか見えないです」
隣でレインも怖がっている。
「おい! 説明しろよ!」
-私が行いましょうー
「ん? どこからだ?」
-どこからかと言われれば全てからと返さなくてはなりませんね。初めましてリブレよー
「な、なぁレイン。俺が狂ったわけじゃないよな?」
「ぼ、僕にも聞こえるから二人とも狂ったかもです」
「大丈夫。二人は正常だよ」
キラが言ってくれるが全く安心できない。
ー私は、そうですね。神、でしょうか?ー
なんで疑問形なんだよ。
-私はこの世界に唯一の存在。それは普遍です。しかしそれが神だとは限らない。よって私は私の表現を疑問形にするほかないのですー
ややこしいな。よし。
「じゃあヘスティアって呼ぶわ」
俺が元の世界でギリシア神話で一番好きだった神の名前をもらった。
「さすがリブレさん……。もう順応しかけてる……」
-わかりました。私はヘスティアと記憶しておきますー
「で? このタイミングで現れるってことはなんかくれるの?」
「ほんとにその図太さは尊敬します……。馬鹿と紙一重です……」
さっきからレインがなんかぶつぶつ言ってるが気にしない。
ーえぇ。私はあなたに二つ名を授けるためにここに顕現したのですー
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