物理攻撃力って力積のはずだけどどこから生まれてるんだろうね
「お前俺らがあれ狩るのにどれだけ苦労したと思ってんだよ!」
「しょうがないじゃないですか! 一刻も早くあそこから逃げたかったんですよ! あの場所にあれ以上留まるのは無理です! あんな大きいの持つ余裕はないですよ!」
「……確かに」
あの空気は地獄だった。あれ以上あの二人には関わりたくない。
しょうがないな。
「まあまた狩りに行けばいいか」
今度はちゃんと普通なのを。
「そうですね。僕も行くのは初めてだったのであれがそんなヤバイやつだとは知りませんでした。今度はもっと簡単にいけるやつにしましょう」
まああの流れで無事だっただけでも良かったとしようか。
「やあ、二人とも」
「「キラ?!」さん?!」
「そんなに驚かなくてもいいじゃないか」
いや驚くだろ!
「なんでもうここにいるんだ? いくらなんでも早すぎるだろ?!」
「いやこれでも遅いくらいだよ。あの後あの二人にしっかり説明してから|これ(・・)を担いで来たからね」
そう言ってキラがよいせと背中から下ろしたのはあの肉!
「キラ。お前は恩人だ。お礼といってはなんだがレインの料理を味わって行ってくれ」
「なんで僕の同意なく話が進んでいるんですか……。まあ確かに恩人ではあるので是非食べていって下さい」
「そうかい? ならご馳走になろうかな。二人のことも知っときたいしね」
爽やかなスマイルを浮かべながらキラが言う。
「レイン。あの笑顔に騙されるなよ。あこ笑顔で無意識にどれ程の女性を虜にしてきたのか……」
「大丈夫ですよ。リブレさんと違ってエイグさんに喧嘩売る気にはなりませんし。……。私にはリブレさんがいますから」
「? そうだな。頼ってくれていいぞ」
キラが苦笑いを浮かべながら
「君も相当だと思うけどなー」
とか言ってくる。なんのことだ?
「なんでもないですよ! ほら、ご飯作るんで早く運び込んでください!」
「わかった、わかった」
なんでキレてるんだ?
夕食ののち、三人で戦力を確認する。
「基本キラはバックアップという形になるのか?」
「そうだね。今回の目的は君たちの強さを見るのことだし。あ、もちろんやばくなったら頼ってくれていいよ」
頼りになりすぎる。
「ちなみに俺らが行くところはどんなのがでるんだ?」
「基本的には|不死(アンデッド)系だね。物理攻撃の方が通るけど体力が多いし、面倒な相手だよ」
ついに来たか。
実は俺たち二人には大きな弱点がある。レベルの低さ故に基本的なステータスが低い。ひいては物理攻撃力は目も当てられないほどなのだ。レインはまだしも俺は本当に役に立たない。
「レイン、お前不死系と|戦える(やれる)と思うか?」
「無理です!」
「胸を張るな!」
「いやゾンビとかですよね!? みたことないですけど絶対気持ち悪いじゃないですか! 近づきたくないです!」
やっぱかー。キラには悪いがちょっと待ってもらって戦えるようになるしかないな。そうだ。
「キラ。ここには硝石はあるか」
「え? たぶんあるよ? 確か食材の保存に使ってるんじゃなかったかな」
よし。それでいこう。
「リブレさん。僕その顔を見ると凄く不安になるんですけど……」
流石。わかってきたな。かといってやめないけどな!
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