終話⭐その後の僕達と食事会〈語り・俊映〉
遥人先輩への嫌がらせの件が
早く終わったのは緤と花菜さんのおかげです。
その後、御笠さんは啓隆さんと龍己さんに
近付いて来ないみたいでよかったです。
阿南さんも遥人先輩に
嫌がらせや暴力もして来なくなり
平和に学校生活を送れています。
*★*――――*★**★*――――*★*
「今日はお招き
ありがとうございます」
緤がわざと畏まった言い方を
するので僕も悪ノリして
畏まった言い方をしてみました。
「こちらこそ、
来ていただきありがとうございます」
馬鹿っ丁寧な挨拶をし
二人で笑いました。
「篠瀬、いらっしゃい」
龍己さんがリビングのドアを開けました。
「緤から聞いてはいたけど
本当に四人で暮らしているのね」
『まぁな』
答えたのはソファーから
立ち上がった啓隆さん。
「遥人」
キッチンにいた遥人先輩を呼びました。
「初めまして、緤の従姉で
二人と同じクラスの篠瀬花菜深だよ」
『初めまして、
啓隆さんの恋人で
俊映の先輩兼友人の柏木遥人です』
花菜さんの前だからでしょうか?
呼び方が
“さん”付けになっています(笑)
『遥人、呼び方』
啓隆さんは気付いたようです。
『え? あっ……』
遥人先輩もご自分で
気付かれたようです(笑)
『啓隆、ごめん……』
『篠瀬の前だからだろう?
別に怒ってねぇよ』
シュンとしてしまった
遥人先輩の頭を
啓隆さんが撫でました。
「森河ってばべた惚れね」
花菜さんがからかうように言いました。
『まぁな、遥人以外愛する気ねぇし』
「あはは、こんな森河
初めて見たかも(笑)」
花菜さんには大笑いする程
可笑しかったようです。
『先に言っておくが
龍己も俺に負けず劣らず
俊映を溺愛しているからな❢❢』
『当たり前だろう』
緤と話していたら
龍己さんが首筋にキスをしてきました。
「俊映は俺のだからな」
少々恥ずかしいですが
嬉しい方が勝ってます。
食事の後、お二人を
啓隆さんと龍己さんが
送っ行くことになりました。
夜に女性二人が
出歩くのは危ないですからね。
「アキ、
今日は本当にありがとうね」
お礼を言わなければ
ならないのは僕達の方です。
「いえ、緤と花菜さんの
おかげで今回の件が
早く解決したんですから
僕達の方こそ
ありがとうございました」
玄関で二人を見送りました。
「また、来てくださいね」
「うん‼ また学校で」
*★*――――*★**★*――――*★*
「ただいま」
龍己さん達が帰って来ました。
「お帰りなさい」
お二人が緤達を
送っていってる間に遥人先輩と
片付けをしておきました。
『片付け、してくれたのか。
手伝わなくて悪かったな』
啓隆さんに謝られました(笑)
『役割分担なんだから
気にすることないだろう』
すかさず、遥人先輩が
拗ねたような口調で言い返しました。
“家族”ですからね。
『そうだな。
片付けしてくれて
ありがとうな』
謝罪よりお礼の方が
やっぱりいいですよね。
『どういたしまして』
これからも、僕達は
四人で過ごして行くことでしょう。
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