第13話 「海賊王」と「ハーレム王」

「うーん、どうしようかな?」


 マジかよ。星子迷ってる?

 断るんじゃなかったのか。


 いや、そう思っていたのは自分。星子ではない。

 私はいてもたってもいられずそこへ飛び出していた。


「ちょっと待て羽里。私の告白が先だ。私がきちんと返事もらえるまでは待て」

「そんなの関係ないわ。決めるのは星子ちゃんだから」

 なるほどその通りだ。

 星子、どうするんだ。


 私と羽里に見つめられ、頬を赤く染めた星子が頷く。


「そうよね、じゃあ、みんなでミミ先生と付き合うのはどうかな? ミミ先生にハーレム王になってもらおうよ」

「突然何を言ってるんだ。黒田。私はハーレム王なんかにはなりたくないぞ。強いて言えば海賊王だが」

「じゃあ私たちを略奪してください。略奪王になって♡」

「星子ちゃんと一緒なら賛成」


 馬鹿な。

 星子も羽里も正気か?


「それは教師として許されない行為だ。な、そうだろう綾川」


 突然私に話を振る三谷。

 私はぼそりと呟いた。


「ミミ先生なら良いかも」


 その一言で顔面蒼白になった三谷は逃げるように屋上から去っていった。

 

[まだ続きます]

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