この駄女神?の誕生日にお祝いを!!
「みんな! 起きなさい! この神々しい女神さまの誕生日なのよ?」
俺たちはこんな駄女神の掛け声で起こされてしまった。こんなに最悪な目覚めの日は当分ないだろう。
「なんだよ朝早くから…ってかまだ日が昇ったばっかりじゃねーか。これはまだ夜だ。俺は寝る! 寝るぞ」
「さすがにカズマの言う通りですよ。アクアの誕生日はまた日が昇ってから祝ってあげますから一旦寝ますよ?」
「なんでよ! なんでみんなわたしの誕生日だけ冷たいのよ!! カズマですらあんなにしっかりと祝われていたのにおかっしいわよ! いいわ! セシリーに祝ってもらうんだから!」
「おい、さすがにあいつもまだ寝てるだ…」
「カズマカズマ。もう出てっちゃいましたよ」
「よし! 寝よう。ってかダクネスは?」
ダクネスがなぜか起きてこなかったが、早朝に起こされ眠かった俺たちはそんなことに気を遣う余裕もなく、寝床へ誘われるかのように…
「おい、起きろみんな! アクアがいなんだ!」
「朝早くにセシリーのところにいったはずだから大丈夫だろ」
「そ、そうなのか。というかもう昼になるぞ。準備しなくていいのか?」
「アクアなんて適当にその辺の石渡しとけば喜ぶだろ」
「おい、さすがにかわいそうだから…やるなら私に…」
「言ったな? 俺はやる男だからな? いいんだな?」
「そんなけちなこと言ってないでカズマがあげる分を買いに行きますよ?」
「俺とめぐみんで?」
「はい」
「二人で?」
「はい」
「いいけどそれってデート?」
「はわっ!……」
「二人で何をしているのだ。今日の主役はアクアなんだぞ? さっさと三人で買い出しに行くぞ」
結局買い出しは三人で行ったわけだが、途中には隠れていたゆんゆんに荷物持ちをさせたりとわいわいしていた。最後にバニルとウィズを誘おうとなり、魔道具屋を訪れることとなった。
「へいらっしゃい! あの自称女神のためにそこそこいいものを買っていい気になっている小僧とその仲間たちよ。なにか御用かな?」
「いや、ゆんゆんがどうしても誕生日パーティーに二人も誘いたいというので」
「え、私じゃなくてめぐみんが言い出したことじゃないの!」
「全くうるさい子ですね。そんなに嫌なら帰ってもいいのですよ?」
「そ、そ、、そんなことは言ってないじゃないの!」
「めんどくさい子ですね。カズマ、説明しておいてください。私はこのわがままな子を説得するので」
「お、おう。まあ、あんな駄女神のためにパーティーを開くから来ないか?」
「我は断固としていかないぞ。女神とは相反する存在。言ってたまるか! まあ、うちの店主なら連れて行ってもよいのだがちょっとだけ消えかかっててな」
「それってまさかまた変なものを仕入れてバニルが」
「すぐ吾輩のせいにされては困る。それは今朝のことだ…」
“ドンドン!” “ドンドン!”
「誰だ、こんな朝早くから人の店の戸を荒く叩くやからは」
「ウィズを出しなさいよ! あんたなんかに用はないんだから!」
「まだ寝ておるわい! というか名も名乗らず要求するなど女神が到底することでないな! 女神とやらもここまで落ちぶれたのか! 吾輩は…」
「私に誰か御用なのですか?」
「ウィズ…」
「と抱き着いてから少し前まで泣きついていたのでな。もう消えす寸前なのだ。それでもよかったら引き取ってくれ」
「うちの駄女神がすみません!」
結局、バニルは来ないということでダクネスから少し体力を貰いウィズへと移す。そんなウィズをおぶりながら屋敷へ帰っていく。
「ほらアクア! どうせいるんだろ? 帰って来たぞー」
「…」
「返事がありませんね。また誰かに泣きついているのですかね。帰ってくる前にちゃっちゃと準備を終わらせて待ちましょう」
六人で飾りや料理を作り準備を終わらせて待っていたのだがなかなか帰ってくる気配がない。さすがに心配し、ソワソワしだしたころ…
「ただまー!」
「やっと帰ってきたか…!」
「何よ。みんなして私のこと見て。やっと私の女神としての神々しさにきづいたの?」
「そうじゃねーよ、ほら、みんな、せーの!」
「「「「お誕生日おめでとう! アクア!」」」
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