第33話 元女神の謝罪


今日のアリスは普段に増して落ち着きがない。


これから召喚された人たちに謝罪をする。


彼女がどのようなミスを行ったのかを説明して謝罪をして補償についても話すことになっている。


召喚された人たちは質問も行うことはできる。


謝罪は中ホールを会場にして行った。


召喚された人たち全員が参加した。



初めに今の状況についての確認を私が行った。


すでに話してあることだがもう一度確認だ。



召喚勇者の中にはすでに12日も行方不明になっている者もいる。


最終的には15日になる予定だ。


流石に周囲に監視カメラがあったり人がいるところで行方不明になったケースはない。


鶯学園の生徒以外は6日~15日の行方不明だったことになる。


この辻褄をどう合わせるかは神界で検討をしているらしい。


召喚された者が地球に戻ってから不利にならないように配慮するとの約束を取り付けている。


何者かによる誘拐や拉致または遭難の被害者という形になると思う。


鶯学園関係者は音信不通の孤立という形だからまだ対処は楽だ。


1日1回一方通行の無事を知らせる連絡は入れられている。



続いて管理神であったアリスが今回の責任をとらされこの世界で修行することになった事とその付き添いにもう一人女神見習いだったコリスが来たことを説明した。


流石に驚きの声が上がった。



「そういう事で神様でも失敗を行うと罰を受ける。二人は神の力のほとんどをなくし、ここで修行を行い悪魔退治も行う。では二人を紹介する」



アリスとコリスがステージに上がった。


ここの客席は階段式になっているので客席の最前列でもステージ上より高い位置になる。



「私の責任でこのようになってしまい申し訳ありませんでした」



アリスは素直に頭を下げた。


責任とは直接関係ないコリスも深々と頭を下げた。


二人にはそのようにするように指示してある。


一応、私の伝えた理由について理解したようだ。


アリスはどのようなミスがこのような事に繋がったか、その後の私への依頼も含めた対応を説明した。



「以上です。私が言い訳を言っているだけに聞こえるでしょうが、ご理解いただけるようによろしくお願いします」



やじ等もなく、謝罪と説明は終わった。


質問も私からの説明や資料が渡されていたので少なく終わった。



補償についてはステータスを上げて場合、こちらとも往来できるようになり、地球でも異能の一部を使えるようにすることになった。


地球で使える異能は相談ということになる。


ステータスが上がらなくても地球で記憶力や身体能力を上昇させてくれることを保証された。


こちらで学んだ地球の知識は持ち帰ることはできる。


金銭的な補償は難しい。



不満もあるだろうがここでの生活を有益なものにしてもらいたいと思う。


召喚勇者も鶯学園の関係者も一応はアリスの謝罪に理解を示してくれたようだ。


全体的にこれから前向きに生活していく決心をしてくれたのは良かった。


アリスとコリスが神界から来たことここの参加者以外には伝えないようにお願いはした。


アリスの名前はアイリスということになった。



なお、神託でアリスに変わってケリスがこの世界の神となった事が伝えられている。

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