雑多なメモとか、超短編とか
結城七
いつか書くかもしれないアルタイルとベガの話
僕はA国の、彼女はB国の王族です。僕たちは、両国の友好の証として、幼少期を一緒に過ごすことになりました。
僕は将来「彦星」になるそうです。
彼女は将来「織姫」になるそうです。
互いの国の象徴となる、大切な仕事です。
しかし「彦星」と「織姫」は絶対に会ってはいけません。昔の偉い人が、そう決めたようです。
だから僕たちは、手紙を送りあうことにしました。
「ねえ知ってる? 私たちの国の間ってとっても危険で、手紙の運び手がほとんどいないから手紙が届くまでに15年かかるのよ」
「僕たちが生きている間には、二往復くらいしかできなさそうだね」
「そのたった二通に、私はありったけの愛をこめるわ。あなたが好きよ」
手紙の中のあなたに会えることを楽しみにしているわ。そう言って彼女は静かに泣いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます