自由散文詩掌編『消毒液』

朶骸なくす

充満

そこはアルコールの臭いで充満している所だった

鼻が慣れれば匂いはマシになり、当たり前だと思った

しかし外から帰ってくると違和感がする

香りが強くなっている気がする

身体を包み込み

お前も一つだと言い聞かされているようで

今日も誰かがストレッチャーで運ばれていた

ぐったりと

また臭いが濃くなるのか

そんなアルコールが充満する

当たり前の日々であった

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