Espionage2 挨拶

「歩哨が五、六人、監視カメラが三台、生体兵器はなし」


 エレベーターで地上に出てから敵兵の観察だ。大したことはなさそうだな。


 ピリリッ、ピリリッ。


 うわ、面倒くさいのがきた。要らないのにつけてくるなよな。


『こんにちは、Ms.K』

「もうこっちは夜だ」

『あら、ごめんなさい』

「んで? 要らないのになんで来た」

『暇つぶしですよ』

「そうかい」


 無線のお友達第一号、オペレーターだ。


『先程の映像から敵装備と配置を地図にリンクさせました』

「うわ、早。ってか見てたのかよ」

『ええ、敵兵二人を伸した辺りから』

「はーあ」


 私がつけてるバイザーの映像はオペレーターに共有されてる。

 それにしたって解析が早い。変態だ、コイツは。


 とりあえずそんな事はどうでもいい。問題は中に入る方法。人間だけならいいが監視カメラは面倒だ。

 普段なら全員ぶっ飛ばす、で終わるが今回は潜入がメイン、派手に暴れる訳にもいかん。

 ああ、全く面倒くさい。暇つぶしに付き合ってやるか。


「おい、監視カメラどうにかしろ」

『近くにリンクできる端末はありますか?』

「……んで?」

『30秒、監視カメラを妨害できます』

「はー相変わらず変態だな」

『お褒めに預かり光栄です』

「ふん」


 やっぱりコイツは変態だ。この基地のセキュリティレベルをオペレーターが知らない訳がない。


「暇つぶしにハッキングか?」

『ええ、こんなご馳走、見逃しません』

「言葉も無いわ」


 とりあえず近くの配電盤にでも繋げてやろう。


「どうだ? かかりそうか?」

『出来ましたよ。歯ごたえはまぁまぁです』

「早っ。んで、タイミングは?」

『おまかせします』


 それなら今だな。


「今すぐやって」

『はい』


 30秒以内に全員気絶させればいい。









 ――ダイナミックおじゃましまーす!


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