第37話 そのあとは風の中
別れた きみと 会ったのは
街の シャレた カフェの中
僕は 大学のサークルの先輩を 待ちわびて
隣の男が 眠い目をこすりながら
それでも 嬉しそうな表情(かお)でいるのを
横目で 睨みながら
三杯目のアメリカンを
イライラしつつ 飲んでいた
そこへ とびっきりの笑顔と
お気に入りのバッグと共に 飛び込んできた きみは
僕の 隣の男の そばまで来て
遅れてきたことを 可愛く謝ることがせいいっぱいで
僕には全く気づかずに
「早く、早く」と言いながら男と一緒に店を出て
通りの映画館の方へ 消えていった。
きっときみは あの映画館の
僕たちのお気に入りだった あの席に二人で座って
あの男に そっと寄り添うんだろう
そして 映画が終わったら
僕たちの好きだった あのコースを 辿るんだろうか?
風に髪をなびかせて・・・。
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