第7話 クリスマスツリーの☆のひみつ

 俺は人の庭を荒らすのが趣味だ。


 ファンタジーな庭、青春を思い出させる庭、ギャグ満載の庭……。そんな沢山ある庭の中でもとりわけアイディアのつまった庭を荒らすのが大好きだ。

 アイディアは人を幸せにする。だがそんな庭に苦笑の粉を蒔くと、俺がそのアイディアに勝ったような錯覚を覚えるので、その爽快感で止められないのだ。


 ある時いつものように、とある庭に狙いを定め荒していたら、巨大な網に包囲され捕まってしまった。秘密警察により罠がかけられていたらしい。

 俺は前の庭で獲ってきた☆で網を切り裂き逃げようとしたが、頑丈でなかなか切ることは出来ない。


「くっそう・・・」


 ギロリギロリと大きな俺が警察を睨むも、相手は人数が多いので、全く怯まず巨大な注射器で俺に何かを注射してきた。


「「「怪獣ホシィの捕獲にやっと成功しました!! 」」」


 俺のことをどうやら怪獣と呼んでいるらしいことは確認できたが、そのまま意識が少しずつ遠のいて、気付いたらクリスマスツリーのてっぺんにいた。


 俺はどうやら集めた☆と一緒に、クリスマスのオーナメントとしてツリーに飾られたらしい。


 俺を見て泣き出す子もいたが、ほとんどの子には面白可笑しく映っているらしく、嬉しそうに笑ってくれてるのでまぁいいか・・・と、しばらくそこでゆっくり眠ることにした。




※怪獣ホシィは渋谷獏さんの考案されたキャラクターです。

お話自体は私のオリジナルで、ご本人の了承を得て掲載させていただいています。

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