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「さて、もうそろそろできる頃だな……」
「……で、桐谷君は何をしているわけ?」
俺が何をしているのかあからさまなはずなのに時坂はわざとらしく俺に話しかけてくる。いや、これは馬鹿にしているのか。
「もう一度、試しに作っているんだよ。長塚の書いてくれた紙をお前と俺を比較しながら確かめたいことがあってな……」
「……は?」
時坂の結果のプリントと俺のプリントを見せた。
時坂がくだらなそうな声を上げる。そして、馬鹿にした顔は憎しみしかわいてこない。
「桐谷君は何がしたいのさ……」
それを聞いていた長塚は俺を見る、
「それじゃあ、少なすぎるし、必ず失敗する。さっき言っていたことは分かったつもりだよ。でも、これは違うんじゃないかな?」
長塚が不機嫌そうな面で俺を見る。
「だから言っているだろ? 試しに作っているって……」
俺は手ぶり素振りで言いながら、ドヤ顔で言う。
「キモッ」
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