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それを聞いて本題に入り始めたサーシャは、ミラにニヤリと微笑んだ。
「そうか、あのアーサーさんが知っているのか。いや、それなら後で魔法道具を使って連絡を取ればいいってこと」
ともに実力のある魔導士が向かい合う。
竜二にとっては竜という言葉に引っかかっていた。
「それにしても炎の魔女が炎帝竜ジークフリートの名を出すとは思いませんでしたよ。それでもしかすると、紫苑を呼び出した理由は竜の滅せることですか? しかし、相手は炎帝竜ですよ。普通の魔導士では相手にならないと思いますけど……」
と言って、ミラはつまらなそうにサーシャを見た。
「私でも竜となればどうなるか分かっているつもりです。死ぬかもしれませんしね……。だったら、あなたは竜をどうするつもりなのですか?」
「私はただ、竜の力を紫苑の中に閉じ込めてほしかっただけよ」
本音とは思えないただ十パーセントの答えをサーシャは教える。
竜二が、「何のことを話しているんだよ!」と話を割って言おうとしたが、
「まさか、紫苑は炎帝竜を自分の力にする器を持っているってことですか? なぜ、それをあなたは知っているのですか⁉」
「まあ、待って……。器を持っていたとしても竜の力を絶対に授かる事ができるとは限らないの」
サーシャの言葉を聞くなり、ミラは緊張感を解くことはない。
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