皆さん、紹介します。こちら私を溺愛するパパの“魔王”です!
風和ふわ
第一章 エレナ、十歳編
プロローグ~私が死んだ日~
私──
趣味と言えば、読書。小さい頃からファンタジー小説が大好きで毎日毎時間毎秒読んでいた。
将来の夢は魔法使いと豪語していた私は周りから「不思議ちゃん」扱いされる始末……。
でもそんなの気にしない。
変だと思われても、好きなものは好きなのだから。
……成長していくにつれ、そんな事は考えなくなった。
皆と同じようにしないと。就職も無難なものにしよう。
どうせ、やりたい事なんて、ないんだから──。
白黒の人生だった。色なんて鮮やかなものはない。
嬉しい事もない。むしろ悲しい事ばかりだ。
同じ大学、同じ苗字だった事がきっかけで仲が良かった友達もお風呂で溺れて亡くなってしまったし。
お父さんとお母さんはいないし。
引き取ってくれた叔父さんは仕事ばっかりで、いつも独り。
私は、今の孤独とお友達になった日々に沈んだまま、死ぬんだなって思ってた。
──そんなある日。
バイト帰りで夜中歩いて帰っていると、いつも通る公園に不審な影があった。
男の人は外灯の光が反射するナイフを持って、暴れる猫を片手に──。
私は思わず、叫んだ。
「──駄目!!!!」
一心不乱に走って、戸惑う男の人の腕を掴む。
目の前で、見殺しには到底できなかったのだ。
ナイフが鋭く私の瞳に映る。
男の人の動きがやけにスローモーションに見えて。
私は、その人に刺されて、死んだ。
──それが、私の……いや、エレナの物語の始まりだったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます