第5話 開闢
6月10日早朝、明日にこの地を離れ東京に出発すると言う事で、
それから村中を歩きまわった、異臭が漂う……普通の人間なら目眩や吐きけを発症するだろう、
やはり僕は化け物なのだ……っと実感する、人が腐っていく匂いがとてもいい香りに感じてくる。確かにこれは違う意味で精神が壊れそうだ。
それでも僕は歩き続けた。
お調子者で、余り勉強は出来なかったな……お馬鹿発言もあったが、憎めない奴だった。
いつも
それから
第一印象はクールでとても綺麗な人だなと思ってたけど、イベント事が好きだったり、みんなと遊びにいくのが好きだったりと、とても明るい女の子だった。
次に
頭が良くて、よく
だから皆んな
クラスの何でも頼れるお兄さんタイプだったと思う。
確かこの家は
真面目な性格で委員長タイプの女の子だったのだが、身長が小さく童顔で慕われるって感じではなく皆んなの妹って感じだったな……。
ここは
貧乏ではあったが医者になる為に一生懸命勉強頑張ってたな。
印象はチャラいなーって思ったけど、頭が良くて小学生の妹を凄く大事にする程優しい子だった。
そして最後……
よく二人で遊んでたな、あぁまただこの感情がまた胸のあたりに込み上げてくる……
胸が苦しい、
あの日僕は皆んなの身体を探して学校裏の森の中に埋めお墓を作った。
顔は出来るだけはお墓に埋めてあげたかったがどうしても一人だけ見つけられなかった……
けど体の右半分の身体を見つけられ埋めた。
夕方か……
「
次が最後ですので」
「あぁ気にしなくていいよ、今日一日なら何時間でも構わないから」
「ありがとうございます」
最後に僕は6年暮してきた、住み慣れた我が家に足を運んだ。
「
村中を歩き回り、家にも戻ってないとすると死んでしまったのだろう……、僕は最後に
僕は皆んなのお墓を作り満足したかったのか、安心したかったのか……
これは気休めなのかも知れない。
……まただ昔からそうだ、こんなことをいつも考えては僕は心が無いのだろうかと、自虐的思想に陥ることがよくあった。
「はぁ……」
僕は僕のことが嫌いだ
そう思うと僕は
「
「何って……ただの砂山でしか無い物を壊しただけですよ。
この中に
そんな哀れみの顔を向けるなよ……
「第一僕は人間じゃ無いんだ! 化け物が人間の真似事をした所で、感情が無い僕が供養したもどうにもならないんだよ!」
初めて声を荒げた。
その瞬間、
「何ですか……」
「大丈夫、貴方はまだ人間の心が残っている優しい子だよ」
「優しい……違う、お墓は自分が安心したいが為に作ったんだ。
それに優しいというなら友達以外のこの村の人達には供養も何もしていない、これは見て見ぬフリをして正義を唱う偽善者と同じだ……僕は感情が無い化け物だ!」
「じゃあ今何を思って怒鳴っているの? 怒り? 悲しみ? 自己嫌悪? それはね全て感情なんだよ。
感情がなかったら怒鳴る事も出来ないし、涙を流す事も無いんだよ。
全く君の言葉と行動は矛盾だらけだね」
「くぅ……なんでなんで僕はああぁぁあ……」
そして初めてこの歳になって声を上げて泣いた。
それから
村に村の人達に最後に伝えた言葉は後悔や懺悔ではなくありふれた言葉だけど、どの場面でも一歩踏み出す為の希望の言葉……
——行って来ます——
「
「はい!」
——日付が変わり6月11日00:00時
鬼泣村で今後、
『絶望』はなぜここにいるのか自分でも分からなかった。
頭が痛いズキズキする、頭を抱え気付く……角が生えている事を、そして思い出す自分が鬼により殺され身体を食われた事を。
『絶望』は混乱した、
そして悟る、これは復讐する為に神がくれた物なのだと、自分は神に愛されたのだと思う事にした。
この力を知る為にまずは町へ行こう、大きくて色んな人や鬼がいる東京へ……そこなら色んな事が分かるかも知れない。
「ごめんね皆んな先に東京に一人で行く事になるけど許してね。
少し長くなるかも知れないけど帰って来たら次はみんなで東京に行こうね、それまで天国で見守ってくれると嬉しいよ」
一つ『絶望』は知っていた
村の図書館……図書館っと言っても誰も使ってない小屋に村人が本を置いているだけだが
そこで昔の言葉で書かれているボロボロの本を見つけ興味本意で解読してみた
解読出来なかった所もあったが一つ皆んなが幸せになる為の言葉を見つけていた
【白き鬼は死者を我々の前で生き返らせた】
『絶望』は自分に宿ったこの力が白き鬼の力だと信じ、友を両親を生き返らせる為にこの世界の深淵へと一歩踏み出した
余談だが『絶望』が解読出来なかったボロボロの本の続きはこうだ……
【生き返らせたのち白き鬼は力を失い角が砕け折れた
だが生き返らせた物は生前の記憶もなく目を開けた刹那に苦しみ、血反吐を出しながら息絶えたのだ。
やはり人を生き返らせる事は世のことわりから外れた事なのだ。
白き鬼は力を失い、同じ人を二度殺した事に心を痛めた。
我らは確信した、この白き鬼はいい素体だと黒鬼と協力し白き鬼を捕え研究し、野望を成し遂げるために長い月日かけ、いい村人を演じ
……無知な事は罪である。
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